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男性器に関わる病気について。検査や治療時の看護師としての立ち位置や役割り

女性が子宮がんなどの「女性器」に関連する女性ならではの病気で悩んでいる方がいるように、男性も「男性器」に関連するさまざまな病気で悩んでいる方がいます。
しかし傾向としては、女性に比べて男性の方が表面化しにくい現状にあります。

そこで本記事では、男性器に関する主な病気の種類、男性性機能障害の種類、泌尿器科で働く看護師の役割りについて解説していきます。

男性器に関連する主な病気

男性器に関連する病気にはさまざまなものがあります。

増えている男性不妊

近年、増えているのが、男性が関与する不妊です。
環境因子の問題を指摘されることもありますが、晩婚化も大きな要因として考えられます。
「子どもをつくり始めて1年間経っても自然妊娠に至らない」場合は不妊症とされます。
不妊症の自然改善は難しいことも多いので、なるべく早期に適切な検査・治療を受けることが勧められています。

包茎

包茎には仮性包茎・真性包茎・カントン包茎があり、なかでも問題となるのが真性包茎・カントン包茎です。
真性包茎は包皮が剥けない状態のことで、日常生活や性生活に支障が出ます。
カントン包茎は、剥けた包皮で陰茎が締め付けられて血流が悪化した状態であり、早期の治療が必要です。

陰茎がん

男性特有のがんであり、ヒトパピローマウイルス(HPV)がその発生に関与しているのではないかと考えられています。
亀頭周辺にいぼのようなものができるものの痛みがなく、受診が遅れて進行してしまうことがあります。

その他の病気

男性器に関する病気には他にも、前立腺肥大症や前立腺がん、急性・慢性前立腺炎、精巣腫瘍、陰茎折症などさまざまなものがあります。
これら男性器に関する病気は、泌尿器科にて検査・治療を行います。

男性性機能障害の種類

男性性機能には、性欲・勃起・性交・射精・極致感(オーガズム)の5つがあり、それぞれが連携して発現することで正常とされます。
このうち1つでも欠けるまたは不十分である場合に、男性性機能障害と診断されます。

具体的には以下の通りです。

性欲低下
加齢などの原因により男性ホルモンの分泌量が低下すると、体内のホルモンバランスが崩れます。
その結果、性欲が低下する男性性機能障害になることがあります。

性嫌悪症
性行為だけでなく、あらゆる性的な行為に対して激しい嫌悪感・不快感を抱く疾患のことです。
性別・年齢に関係なく発症し、男性でも性嫌悪症になることがあります。

勃起障害
性欲はあるものの、血流の乱れや心理的な問題により十分な勃起ができなくなる状態です。

射精障害
勃起はできるものの射精には至らない状態のことです。
射精は男性器だけの問題ではなく、脳や神経などの働きも関係するため、原因を見極めた上での治療が必要となります。

このように、男性性機能障害にはさまざまなものがあります。
特に多くの患者さんが悩んでいるのが「勃起障害」です。

勃起障害

ED

勃起障害とは、完全に勃起することができない場合のみを指すわけではありません。
勃起に時間がかかる、勃起しても持続できない、満足いく硬さにならないといった場合も勃起障害(ED)である可能性があります。
EDには、緊張やストレスなどから起こる「機能性ED」と、血管や神経などに問題がある「器質性ED」の2種類に分けられます。

男性糖尿病患者と勃起障害の関係

前述の「器質性ED」の場合、糖尿病や動脈硬化、高血圧などがその発生に深く関係するといわれています。
勃起は、性的刺激や興奮を脳が感じると信号が送られて血管が拡張し、陰茎海綿体に血液を送られることで起こります。

しかし、糖尿病などが進行して血管に問題が起きると勃起しにくくなります。
そのため、勃起障害は糖尿病患者に出やすい傾向にあります。
看護の現場では、糖尿病の合併症というと網膜症・腎症・神経障害の3つを三大合併症として、それにあわせた看護を行うのが一般的です。
勃起障害については、生命維持に直結するものではないため、どうしても緊急性が低いと考えられがちです。
そうしたこともあり、糖尿病とEDの関係性を知らない看護師も少なくありません。

勃起障害の問題は医療側からのアプローチが重要

勃起障害は、個人差はありますが男性の尊厳にも関わるデリケートな問題であるため、異性である女性看護師にはとても相談しにくいものです。
もちろん、糖尿病との関係を知らないから相談できないケースもあるでしょう。
しかし、患者さんのより豊かな生と性を支援するためには、医療側からアプローチすることも大切なことといえるでしょう。
デリケートな問題だからこそ、まずは看護する側の知識・関心の向上を図ることが大切です。

泌尿器科の看護師が行う仕事内容

泌尿器科は尿路や男性生殖器を治療する診療科であり、男性器はもちろん腎臓や前立腺などの治療も行います。
また、泌尿器科では内科・外科どちらの治療も行うのが特徴です。
そのため、泌尿器科で働く看護師は、幅広い知識と対応力が求められます。

主な検査

泌尿器科で主に行われる検査は、腎生検と前立腺生検です。
特に腎生検は、患者さんの不安が大きい検査ですので、心に寄り添ってケアしましょう。
前立腺生検査を行う患者さんは前立腺がんの疑いが強い場合がほとんどです。
そのため、検査についての正しい知識はもちろん、検査後も寄り添って安心感を与えられるように心がけることが大切です。

主な治療内容と看護師の役割り

泌尿器科では、内科・外科どちらも幅広く治療を行います。
たとえば、泌尿器科では尿路ストーマ手術をすることがあります。
皮膚トラブルが起きやすいため、スキンケアを徹底して行わなければいけません。

また、術後は精神的ストレスを感じている患者さんがほとんどですので、ストレスケアも大切な看護業務となります。
加えて、泌尿器科では人工透析や尿路結石といった治療も行います。
これらの治療後は合併症リスクがあるため、患者さんの様子を観察して適切に対応することが求められます。

男性ならではの悩みや疾患を理解して寄り添いましょう

性の違いにより、男女それぞれで抱える悩みや疾患は違いや特徴があります。
男性の場合、勃起障害を始め、男性器に関する疾患や障害に悩みを抱える方は少なくありません。
特に勃起障害はデリケートな問題であり、言い出せないケースもあります。
そうした気持ちに寄り添い、医療側から相談しやすい雰囲気をつくることを意識することも大切です。

また、男性生殖器の治療を行う泌尿器科では、内科・外科幅広い診療を行います。
そこで働く看護師にも幅広い知識が求められます。
患者さんの心に寄り添いつつ、より良い看護を実践していきましょう。