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乳がんに対応できる看護師の特徴。関連する資格も併せて紹介

近年、女性の乳がん罹患率が増加傾向にあります。
そのため、乳がんのケアに対応できる看護師の需要が高まっています。

本記事では、乳がん診療に携わる看護師の役割り、乳がん診療に関する2つの資格を解説します。

乳がんとは

乳がんとは、乳腺や乳房などに発生する悪性腫瘍のことです。
女性に多く見られますが、男性でも稀に発生することがあります。

乳がんが発生するのはほとんどが乳管ですが、小葉から発生することもあります。
それぞれ、乳管がん・小葉がんとも呼ばれます。

乳がんは発生初期の小さいうちであれば、治る可能性の高い病気です。
ただし、乳がんが進行してリンパ節や骨、肺、肝臓などに転移すると命を脅かす危険性があります。
そのため、定期的に検査を受けて早期発見することが大切です。

乳がんの原因・リスク要因

乳がんが発生の具体的な原因は、まだ解明されていません。
しかし、女性ホルモンのエストロゲンが関係していることや、リスク要因もわかっています。

乳がんのリスク要因は以下の通りです。

  • 初経年齢が比較的早い
  • 出産歴がない、授乳歴がない
  • 初産年齢が比較的遅い
  • 閉経年齢が遅く、閉経後に肥満になった
  • 飲酒習慣がある
  • 良性乳性疾患の既往歴がある
  • 乳がんの家族歴がある(一親等)

これらリスク要因は、エストロゲンレベルに影響を与えるものが多くあります。
そのことから、乳がんと女性ホルモン(エストロゲン)との関係は深いと考えられています。

乳がん診療に携わる看護師の役割り

看護師と患者

乳がん診療において、患者さんはとても不安な気持ちを抱えています。
そのような患者さんに、看護師はどのようなサポートを行うべきなのでしょうか。

ここでは、乳がん診療の各シーンにおける看護師の役割りを解説します。

予防・治療における役割り

乳がん予防や早期発見のためには、定期的な検診が何よりも大切です。
看護師は患者さんに対して、予防・早期発見の重要性や関連情報を提供し、乳がん検診の促進を行う役割りがあります。
乳がんであることが判明したら、患者さんの要望を尊重しつつ治療法の意思決定をサポートします。
どのような治療が必要なのか、治療内容はどのようなものなのかをわかりやすく説明します。
また、治療に伴う患者さんへかかる心身への負担を緩和し、リハビリテーションの促進も行います。

手術療法後の役割り

乳がんは、手術療法が終わった後も継続してタスクがあります。
患者さんにとっては、再発への恐怖心や術後の治療継続への負担などを抱えています。
そのため、手術療法後は患者さんの日常生活や仕事に関する相談を受け、精神面でのサポートも行います。

患者さんに寄り添う

乳がんの患者さんとの付き合いは長くなることがほとんどで、治療経過を見ながら10年以上におよぶこともあります。
そのため、乳がん診療に携わる看護師にとって、患者さんと信頼関係を築くことはとても大切です。
まずは患者さんに寄り添い、コミュニケーションをとっていきましょう。

また、不安や恐怖により患者さんが不眠・食欲不振などになっているようであれば、悩みを伺うなどを行うだけでなく、医師や多職種と連携しつつその改善を図ることも大切です。

乳がん診療に関連する資格

乳がん診療に関する看護師の資格には、「乳がん看護認定看護師」「がん看護専門看護師」の2つあります。
以下でそれぞれ解説します。

乳がん看護認定看護師

乳がん看護認定看護師は、乳がん医療の分野に関して、深く幅広い知識を持つスペシャリストです。
熟練した看護技術により、高いレベルで看護を実践できます。
また一般の看護師に対して、指導・コンサルテーションを行うことができます。

乳がん看護に関するスペシャリストであり、高いレベルの看護知識や技術を持ちます。
それとともに、女性の罹患率が高い乳がんという病気の特性上、女性の精神面やライフスタイルに配慮したサポート力が求められます。

がん看護専門看護師

がん専門看護師は、乳がん分野だけではなく、がん看護全般に渡る幅広い知識を持ちます。
それを活かし、患者さんや家族の心身の負担を理解した上で、生活の質を高める看護を提供するスキルを磨いた看護師です。
自身の看護実践スキルが高いことはもちろん、医療チームにおける調整役や一般看護師へのコンサルテーションを行う役目も担います。

がん看護専門看護師は、乳がんをはじめ、さまざまながん医療に対応できる看護師です。
その専門性の高さから、がん看護専門看護師の数は少なく、医療機関での需要が高いといえます。

乳がん患者さんに寄り添うことが何よりも大切

乳がんをはじめとしたがん診療は、サポートを長期的かつ多角的に行うことになります。
より良い看護を行うためには、専門的な知識やスキルが求められます。
それとともに、乳がんは女性の罹患率が高い病気であることから、乳がん診療に携わる場合は、女性に配慮した寄り添い方が重要なポイントとなります。

乳がん診療に関する資格には「乳がん看護認定看護師」「がん看護専門看護師」があります。
いずれも需要のある資格ですので、興味がありましたらぜひ目指してみましょう。