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プリセプター(先輩看護師)とプリセプティ(新人看護師)。マンツーマンの教育制度を解説

新人教育の形は、病院や病棟によってさまざまです。
しかし多くの病院では、プリセプター制度を導入しています。

本記事では、プリセプター制度の概要、プリセプター制度の種類、先輩看護師が心掛けたいポイントについて解説します。

新人看護師の教育制度「プリセプター」

プリセプター制度は、プリセプターシップとも呼ばれます。
新人看護師(プリセプティ)に先輩看護師(プリセプター)がついて、マンツーマン指導・教育を行う、看護師の教育制度です。
プリセプターは、英語で教育者や教師を意味する「Preceptor」からきています。

以下では、プリセプター制度の目的や種類を紹介していきます。

プリセプター制度の目的

新人看護師は、看護学校および研修で知識やスキルを学んでいます。
しかし、実際の臨床現場では経験不足もあり、それらをうまく活かせず悩むケースが少なくありません。
その結果、モチベーションをなくしてしまい看護師を辞めてしまうこともあります。
プリセプター制度の目的は、先輩看護師が仕事を通して看護技術はもちろん、対人関係や就業規則、さらには医療や看護サービス提供の仕組みなど、幅広くお手本を見せることにあります。
指導だけでなく適切なフォローを行うことで、新人看護師のモチベーションを維持させて、一人前になるまで導くための制度です。

プリセプター制度の種類

プリセプター制度には3つの種類があります。

プリセプターとマンツーマン
プリセプターとプリセプティが2人1組になる、プリセプター制度の基本の形です。
プリセプターが教育・指導・精神的フォローのすべてを担います。

プリセプターの上にシニアプリセプターをつける
プリセプターの上についたシニアプリセプター(アソシエイト)が、指導・教育の進捗を監督する形です。
職場によっては、日常業務についてはプリセプターが、実践的な部分をシニアプリセプターが指導・教育するケースもあります。

メンタルフォローにメンターをつける
指導・教育をプリセプターが行い、プリセプティの精神的なフォローをメンターが行う形です。
メンターは中長期的な精神的フォローとともに、キャリア支援も行います。

プリセプター制度の教育方法

プリセプター制度の基本的な教育方法は以下の通りです。

業務の教育・サポートとその評価

プリセプティに日常業務の指導・教育を行い、看護実践時はサポートを行います。
プリセプターは、プリセプティの業務における知識・スキルの習得度を共有し、進捗状況を把握します。

看護知識の学習サポートとその評価

看護知識を身につける上で必要となる予習、業務実践後のレポート提出をプリセプティに指示します。
プリセプターは、提出されたレポートに目を通した上で、指導・教育を行います。
必要があれば、訂正してそれに伴った指導も行います。

看護スキル習熟度の確認とその評価

病院や病棟ごとに設けられている看護技術チェックリストに基づき、プリセプティのスキルを確認および評価します。
習熟度が不十分であると判断される場合は、それについて学習サポートや指導を行います。

メンタル面でのフォロー

仕事への不安や心配事、人間関係の問題などで悩み事がある場合は、相談に乗るなど精神面でフォローを行います。
プリセプティの場合、看護学校で学んだことと臨床現場でのギャップに戸惑いを覚えることが多いものです。
そのため、できる限り心に寄り添って支えてあげることが大切です。

プリセプター(先輩看護師)が心掛けたいこと

プリセプター

プリセプターとして、プリセプティを指導・教育するのであれば、ぜひ以下のことを心掛けましょう。

他人と比較して評価しない

経験を積んだプリセプターから見ると、新人であるプリセプティはどうしても動きが悪く見えてしまうものです。
「他のプリセプターが担当するプリセプティの方が……」と、つい比較してしまいたくなるかもしれません。
しかし、成長には個人差がありますし、比較されることでプリセプティのモチベーションが大きく下がる可能性があります。
他人と比較して悪い部分を咎めるのではなく、プリセプティ本人と向き合って「今できること」「これからすべきこと」を冷静に評価し、指導・教育を進めていきましょう。

一人ではなくみんなで教育する意識を持つ

プリセプターを担当するからといって、指導・教育に関する悩みを一人で抱え込む必要はありません。
そもそも、新人教育とは職場全体で行うもので、プリセプターはあくまでもプリセプティに一番近い存在であるというだけです。
何か問題が発生した場合などは、他のスタッフにアドバイスをもらうなどしましょう。
また、業務内容によってはそれが得意なスタッフに任せるなど、機転を利かせることも大切です。

新人との信頼関係を築く

プリセプティは経験が浅く、わからないことだらけですから、新しい職場でとても緊張しています。
「ミスしたら怒られる」そんなことを思って心に余裕がない方も多いものです。
適度な緊張は良いですが、緊張しすぎると指導・教育がうまく伝わりません。
まずはプリセプティの緊張を解き、信頼関係を築くことを重視しましょう。
過度の緊張が解ければ、プリセプティも学びやすくなり、指導・教育もスムーズに進みやすくなります。

適切なフォローを行う

誰でも失敗するものですが、特にプリセプティはミスが多いものです。
しっかり指導することは大切ですが、それとともに励ましてあげるなど、適切なフォローを行いましょう。
プリセプターはプリセプティに最も近い存在であることを意識し、寄り添ったフォローを心掛けてみてください。

自然体で指導・教育をして新人とともに成長しましょう

先輩看護師が新人看護師をマンツーマン指導・教育するプリセプター制度は、丁寧に新人教育できます。
そのためプリセプター自身も、指導・教育を通して知識やスキル向上を実現できるのがメリットです。

また、プリセプターは一人でプリセプティの面倒を見なければいけない、と思われがちですが、実はそうではありません。
プリセプターはプリセプティに近い存在として直接サポートするポジションですが、新人教育は職場全体で行うべきです。
気負いすぎることなく自然体で新人教育を進めていきましょう。