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要支援・要介護のレベルごとの違い。介護職として覚えておきたい基本

要支援・要介護のレベルの認定は、福祉サービスを受けるうえでの基本となります。
ここでは一つひとつのレベルについて、詳しく解説していきます。

また、要介護レベル別の「入浴介護・介助」についてまとめた記事は、以下をご覧ください。

関連記事:介護士が覚えておきたい要介護のレベル別「入浴介助」のポイント

要介護認定

要介護認定とは、“要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです―引用:厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
要介護認定はどのように行われるかと定められています。

この要介護認定を経て、介護度が決定されます。
要介護認定の判断は、コンピューターによる一次判定と、専門家らによる二次判定の2段階を経て行われます。
ここで認定されたレベルによって、受けられるサポート内容が決められます。

要介護認定は非常に重要なものではありませんが、その性質上、症状が悪化すると見直しも行われます。
したがって、「最初に決められたレベルがずっと維持される」というものではありません。

要介護認定によって定められるレベルは、以下の7段階となります。
(「自立」を入れた場合は8段階)

  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

要支援1・2

要支援とは「現段階において日常生活はほぼ自分自身だけでできる状態であり、介護を必要としないが一部で支援が必要である」と判断される段階をいいます。

要介護状態に比べて症状は軽い状態ではありますが、年を重ねていくと要介護に至るであろうと考えられる状態でもあります。
そのため要支援の段階にある人に対しては、要介護状態に至らないような予防策としてのサービスが提供されます。

なお要支援1はもっとも軽い区分であり、日常生活のごく一部でのみ支援を必要とする状態です。
そのため、要介護認定基準時間は25~32分、あるいはそれに相当する状態(以下、あるいはそれに相当するは省略)をいいます。

要支援2も身のまわりのことはほとんど自分でできる状態の方となりますが、立ち上がるときなどに支えが必要となる状態です。
また、要介護認定基準時間は32~50分の状態です。
加えて、生活の維持のために改善を目的としてサービスを受けることが多い状態の方でもあります。

要介護1

要介護のなかではもっとも軽いのが、要介護1の段階です。
要介護認定基準時間は、要支援2のときと同じく32~50分となります。
部分的に介護が必要となる状態であり、入浴や排せつにおいて介護を要します。
立ち上がりが不安定になり、歩行にも難が出ている状態の方が多いといえます。
判断力はおおむね問題ありませんが、時々理解が追い付かないなどの場面に遭遇することがあります。

また要支援2と要介護1の違いは、以下となります。

思考力や判断力に低下がみられるかどうか
半年以内に状態が急変する可能性があるかどうか

「体には問題はないが、思考力や判断力に不安定さがみられる」「今は日常的な動作のほぼすべてを自分で行えるが、半年後にはそれが難しくなる可能性が高い」と判断された場合は、要支援2ではなく要介護1と判断されます。

要介護2

自分で立ち上がったり歩いたりすることが難しく、サポートが必要な状態になると要介護2と判定されます。
要介護1のときには入浴・排せつの分野で一部介護が必要とされていましたが、この段階では全介護が必要となることもあります。

また要介護1のときに比べて、理解力や思考力の低下がみられやすくなります。
要介護認定基準時間は、50~70分です。

要介護1と要介護2の違いについては、以下の記事で紹介しております。

関連記事:要介護1と要介護2とは!?サービスの違いを知ろう!

要介護3

要介護3の状態になると食事・排せつなどの分野において、ほぼ全面的な介護が必要となります。
入浴はもちろんのこと、洋服を脱ぐなどのような日常的な動作であってもサポートが必要となります。
理解力や思考力の低下も分かりやすくなり、人によっては問題行動がみられるようになることもあります。
認知症を患った人が、要介護3の状態だと認定されることも多いのが特徴です。

なお要介護3の大きな特徴として、「特養(特別養護老人ホーム)への入居が可能になること」が挙げられます。
特養はサービスが充実しているにも関わらず費用が安いため、家族の肉体的・精神的・経済的な負担を軽くできる施設でもあります。
順番待ちが基本となるため、要介護3に認定されたからといってすぐに入れるわけではありませんが、それでも特養という選択肢が出てくるのは大きな変化です。

要介護認定基準時間は、70~90分です。

要介護4

要介護4になると、要介護3までに比べてさらに理解力と思考力の低下が顕著にみられるようになります。
意思疎通をとるのが極めて難しく、人柄が大きく変わってしまうことも珍しくありません。
問題行動が起きる可能性も高く、妄想が出るケースもあります。

入浴や食事、排せつなどにおいても全面的な介護が必要となります。
日常的な行動の全てにおいて介護が必要となるため、家族の負担も大きくなります。

要介護5のほうが要介護4よりも重い状態ではありますが「問題行動や不潔な行動がみられるようになる要介護4のほうが重い状態」と感じる人もいます。
要介護認定基準時間は、90~110分です。

要介護5

要介護5は、もっとも症状が重い状態をいいます。
自力で日常生活を送ることができず、生存することそのものに人の手が必要となります。
この状態はほぼ寝たきりのケースが多く、寝返りができないこともよくあります。
そのままにしておくと褥瘡(じょくそう)などを招くため、体位交換などを定期的に行わなければなりません。

認知症を患っている人が要介護5の段階になると、意思の疎通は基本的にはできません。
自分自身の要望などを伝えることができないことも多く、周りの人の判断によって介護を行っていくことになります。
うめき声を上げたり、大きな声を出したりといった行動もみられることがあります。

なおこの状態になった場合、食事の介護も基本的には流動食あるいは経管での摂取となります。
口は動くというケースであっても、誤飲・誤嚥が危惧されるためです。
24時間の介護が必要となるため、施設への入所を積極的に考えるべきでしょう。
ただ要介護5の段階になると、徘徊や問題行動もほぼみられなくなります。

要介護認定基準時間は110分以上と定められています。

要介護4と要介護5の違いについては、以下の記事で紹介しております。

関連記事:要介護4と要介護5とは!?サービス内容の違いを知ろう!

適切な介護サービスの提供をしましょう

要支援度・要介護度は、介護をするうえでの基本となるものです。
そのためこれを認定する「要介護認定」は、ケアプランを考える際に非常に重要な要素となります。

人の手は、無限にあるわけではありません。
また人が手を貸しすぎることで、その人の自立が妨げられてしまうこともあります。
これを防ぐためには「その人はどのような状態か」「どのような手助けを必要としているか」を見極める必要があります。
介護の仕事に従事する者は、要支援度・要介護度、そしてそれを決める要介護認定についての正しい知識を持ち、実務にあたっていく必要があるといえるでしょう。