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介護士が覚えておきたい要介護のレベル別「入浴介助」のポイント

「入浴介助」は、介護士が行うサポートのうちのひとつです。
本記事では、この入浴介助のやり方を介護レベル別に紹介していきます。

なお、入浴介護に限ったことではなくすべての介護について言えることですが、介護は「介護士がすべてを行うもの」ではありません。
機能や意欲の低下、認知症の進行を遅らせるために、「できることはご自分で」というスタンスで手助けをしていくのが介護士の仕事ということを念頭におきましょう。

自立している方の見守り

入浴介護の介護サービスを受けられるのは、要介護1~5の人です。
ただし要支援1や2の人でも特定の条件を満たせば入浴介護を受けることはできます。

また老人ホームでは、「自立しており、自分で入浴はできるけれども、見守りを必要とする人」もいます。
そのような場合は見守りのみを基本としますが、「脚や腰に痛みがある」などの場合は手すりなどの福祉用具を用いてサポートすることもあります。

自立している方の場合は比較的自由度が高く、介護施設側の事情にあまり左右されることなく入浴ができるという特徴があります。

座位が維持できる人の入浴介助

「自分1人で入ることは難しいけれど、座位の姿勢は維持できる」という人の場合は、リフトを使った入浴を行うことになります。
お風呂用のリフトに移動するために車椅子を降り、湯船につかることになります。
そして湯船の中で体をこするなどして、清潔さを保ちます。

このようなお風呂用のリフトは、電動の物がよく用いられます。
初めのころはリフトの動きに驚く方もいますが、介護士の丁寧なサポートとケアがあればそのうち問題はなくなるでしょう。

なおこのようなリフトを使った介助は、介護をされる方の不安や負担を軽減するだけでなく、介護者の肉体的な負担を軽減する役目も果たします。

寝たきりの人の場合は機械浴を行うことになる

寝たきりであったり、座位を維持するのが難しいレベルの方であったりする場合は、機械を使った入浴が必要となります。
これは「機械浴」と呼ばれるものです。
機械浴は2種類あり、座った状態で入浴するものを「チェアー浴」といいます。
リフトを使った入浴と似ていると思われるかもしれませんが、これは「椅子に座ってもらって、そのまま前向きに押していき、入浴層の中に入れる」というやり方をとります。
つまり、リフト浴とは異なり上下の移動を伴いません。

また、寝たままで入浴ができる方法もあります。
これは「ストレッチャー浴」と呼ばれるもので、寝台の上に寝そべった状態で入浴ができるものです。
非常に楽な姿勢で入浴をすることができるため、「体を起こすことも難しい」という人の入浴方法としてよく採用されています。

なおここでは主に「全身で入浴する方法」を紹介しましたが、シャワーだけを使うものや足だけを洗う足浴もあります。
また、体を布で拭き清める「清拭」も、広い意味では入浴介護といえるかもしれません。

ちなみにどのようなサービスを受けるか、介護度はどれくらいかによって1回あたりの費用は異なってきます。
基本的には、全身で入浴するものは高く、簡素な清拭などは安くなります。
また要介護の方が、要支援の状態よりも費用がかかります。

入浴介護のポイントと種類について

「入浴介護」は、介護士が行う介護サービスのうちのひとつです。
風呂場での転倒などは文字通り命取りになる可能性がありますし、入浴介護には高いスキルも必要です。
そのため、特に介護度が高い人の入浴介護は、「専門的な知識と実地経験を持つ介護士だからこそできるものだ」といえるでしょう。
利用者さまの状態に応じて、「求められる入浴介護」「必要となる道具」が異なるので、このあたりもチェックしておきましょう。