看護師の採用試験で用いられる小論文。出題されやすいテーマとは?
看護師の採用試験では、面接とともに小論文を実施するところが少なくありません。
採点配分も高い傾向にあるため、看護師の就職・転職では、しっかり小論文対策をしておくことが大切です。
本記事では、小論文の基本、評価されやすい小論文の書き方、看護師の採用試験で出題されやすいテーマについて紹介していきます。
目次
小論文の基本
看護師の採用試験における小論文では、価値観や感性、看護師としての適正が見られます。
出題テーマに対して自分の意見を述べることはもちろん、その理由を理論的かつ客観的に説明することが大切です。
作文とは異なりますので、小論文を書く際には以下のようなことに注意しましょう。
- 誤字や脱字:誤字脱字とともに文法や熟語の間違いもないように気をつける
- 構成:起承転結や小論文の基本形である「序論・本論・結論」を意識する
- 文章の書き方:伝わりやすい文章にするには、「5W1H」を明確にしたり、「PREP法」で結論から書くことを意識する
- 作文との違い:小論文は、客観的事実を示しつつ自身の意見・考えを論理的に述べるもの
そのため、文末は「です」「である」などを用い、作文のように「~と思う」を多用するのを避けましょう。
評価されやすい小論文
どんなに情熱があって強い看護観を持っていたとしても、それが採用担当者に伝わらなければ意味がありません。
では、どのような小論文であれば担当者に評価されやすいのでしょうか。
ここでは、伝わりやすく評価されやすい小論文にするポイントを紹介していきます。
テーマに合わせる
まずは何よりも、出題されたテーマを理解することが大切です。
もしテーマと関係ない内容を書いてしまったり、途中でテーマから大幅にズレてしまったりすると、評価は下がることでしょう。
出題されやすいテーマなどを事前に確認し、テーマごとに何を求められているのかすぐに把握できる理解力・読解力を身につけておきましょう。
職場の理念に沿っている
病院側はミスマッチを防ぐために、理念に沿った考えを持つ人物を採用します。
なるべく良い印象を持たれるように、病院の理念をHPなどで確認しておきましょう。
もちろん、自身の看護観を曲げる必要はなく、病院の理念から外れないようにうまくマッチさせるよう工夫しましょう。
自身の目標が明確に示されている
看護観とともに見られるのが、その人の目標です。
仕事を通してどのような看護師になりたいのか、どのようなキャリアプランを持っているのかなど、具体的にアピールしてみましょう。
また、目標は回りくどい表現・比喩表現を避け、わかりやすく伝えることが大切です。
内容に一貫性がある
小論文では、ただ自分の意見を言うだけではなく、その理由や具体例も合わせて述べることが大切です。
なぜ自分がそのような看護感を持っているのか、どのようなきっかけで看護感を抱くようになったのかなど、具体的なエピソードや理由を添えましょう。
また、そのエピソードや理由は看護観と一貫性がなければいけません。
自身の看護観と理由・エピソードが矛盾していないか、今一度確認してみてください。
看護師の採用試験で出題されやすいテーマ
看護師の採用試験では、病院ごとにさまざまなテーマが出題されます。
その中でも、出題されやすいテーマと出題意図について知っておきましょう。
理想の看護師像について
出題されることの多いスタンダードなテーマです。
担当者は、受験者の理想の看護師像を知ることで、看護観が病院とマッチするのか、入職後にしっかり働いてくれるかなどを見ます。
看護実習での出来事について
担当者は、まだ右も左もわからない実習生時代のエピソードを知ることで、受験者がどのような学びを得たのか知ろうとしています。
また、詳細なエピソードや得られた気付きを具体的に書けば、「実習に真剣に取り組んでいたようだ」と評価されることでしょう。
つまり、受験者の真面目さや勤勉さもこのテーマでは見られています。
将来のキャリアプランについて
担当者は、受験者が思い描いているキャリアプランを知ることで、その人のやる気や積極性を把握しようとしています。
また、病院側がHPなどで公開している教育制度をどれくらい把握し理解しているのかもチェックしています。
チーム医療について
病院の規模にもよりますが、質の高い医療や看護を提供するためには、それぞれの専門性を持つ医師たちをはじめ他職と連携することが大切です。
このテーマでは、チーム医療についての知識や認識はもちろん、チームの中で自分がどのような役割を果たせるのか、果たしていきたいのかなどを見られます。
リモート医療について
リモート医療はITの進化によって近年浸透してきています。
リモート医療は場所を問わず受けられるメリットがありますが、検査や処置ができないなどのデメリットもあります。
このテーマでは受験者が、新しい医療の形であるリモート医療のメリットやデメリット、どのようなケースで取り入れるべきか、デメリットをカバーするにはどうすべきかなどについての考えを見られています。
まずは書きやすいテーマから練習してみましょう
看護師の採用試験では、出題されるテーマはさまざまあります。
まずは、自分が書きやすいテーマで練習してみましょう。
練習を繰り返すと構成や文章の書き方に慣れていきますし、誤字脱字も減っていきます。
また、回りくどい表現が減って、自分の意見・考えをストレートに伝えられるようにもなってくることでしょう。
小論文にある程度慣れてきたら、本文で紹介したよく出題されるテーマや、参考書などに掲載されている出題テーマでも練習してみてください。
加えて、入職希望の病院を理解することも大切です。
担当者により良い印象を与える小論文を書くためにも、HPなどを参考にしてその病院の理念や教育制度などをしっかり調べておきましょう。