派遣看護師の働き方。働ける職場・働けない職場を知っておこう
看護師の働き方の一つに「派遣看護師」という働き方があります。
病院や施設に所属せず、自分らしく働ける形態として注目されています。
本記事では、派遣看護師の働き方、働ける職場と働けない職場、派遣看護師ならではのメリットについて紹介していきます。
目次
派遣看護師として働くまでの道のり
派遣看護師とは、派遣会社に所属して各病院などに派遣される看護師のことです。
以下は、派遣看護師として働くまでの一般的な道のりとなります。
- 派遣会社に登録する:看護師が登録できる人材派遣会社に登録
- 条件を伝える:勤務先の条件を派遣会社に伝える
- 派遣先へ派遣される:人材派遣会社から、介護施設や保育所などの施設へ派遣される
- 給与の支払い:派遣先の勤務が終わると給与が支払われる
ただし、所属先はあくまでも人材派遣会社なので、給与は人材派遣会社から支払われます。
派遣看護師としての働き方
派遣看護師として働く場合、主に以下3つの雇用形態があります。
派遣看護師として働く場合は、それぞれの特徴を知っておきましょう。
登録派遣型
派遣看護師の働き方として多いのが登録派遣型です。
人材派遣会社に登録後、自分の希望する条件を伝えます。
その条件に合った派遣先が見つかれば、そこで派遣看護師として勤務します。
条件を伝えているので、それに合った働き方ができます。
育児や介護などをしながら働きたいという方に向いています。
また、派遣期間があらかじめ決まっているのも特徴です。
期間満了とともに契約終了になります。
ただし勤務先によっては、契約期間の更新が打診されることもあります。
常用型派遣
常用型派遣とは、派遣会社の社員として雇用される形態の派遣看護師です。
大きな特徴は、雇用期間が定められていない点です。
派遣先の契約期間が満了しても、すぐに次の派遣先へと派遣されます。
もし次の派遣先で働くまでの期間が空いてしまったとしても、派遣会社の社員なので常に給与が支払われます。
そのため、収入面で他の派遣看護師よりも安定しやすくなります。
人材派遣会社としては、専門性の高い優秀な人材を常に在籍状態にして、スムーズに活用したいという目的があります。
そのため、待機期間中も給与を支払っているのです。
ただし常用型派遣は多くの場合、採用試験が必要であることがほとんどです。
専門知識や経験などが問われますので、常に学ぶ姿勢を持っておきましょう。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先での直接雇用を目的とした働き方です。
最長6ヶ月の契約期間後、特に問題がなければ派遣から直接雇用へと切り替わります。
つまり派遣であると同時に、職業紹介を行う形態であるといえます。
紹介予定派遣では、直接雇用前に「職場の適正」「職場環境」などを知ることができます。
そのため、すぐに採用後のミスマッチが起こりにくく、看護師にとっても派遣先にとってもメリットがある形態といえるでしょう。
派遣看護師として働ける職場・働けない職場
派遣看護師は一般的な看護師と違い、法律の定めによって医療機関では勤務できません。
では、派遣看護師はどこで働くことができるのでしょうか。
派遣看護師として働ける現場
派遣看護師が働けるのは、以下のような医療機関以外の職場です。
- 有料老人ホーム
- 特別養護老人ホーム
- デイサービス
- 保育園
- 一般企業
- 献血センター
これらの職場は医療機関ではないとされるため、派遣看護師でも働けます。
派遣看護師として働けない現場
派遣看護師は、以下のような医療機関にあたる施設では働けません。
- 病院やクリニック
- 助産院
- 介護医療院
- 介護老人保健施設
- 介護老人保健施設
これらでは看護師の派遣が原則禁止されています。
しかし、以下のような場合は例外的に認められます。
- 紹介予定派遣
- 産休、育児、介護休業中の看護師の代替
- 看護師を必要とする僻地
こうしたケースであれば、派遣看護師も医療機関で働けます。
派遣看護師として働くメリット
訪問看護師として働く場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット①:自分に合った働き方ができる
登録する際、希望条件を人材派遣会社に伝えます。
それに合わせて勤務先を紹介されますので、希望にあった無理のない働き方を実現できます。
たとえば、週2~3日で働きたい、日勤のみ・夜勤のみ、土日は休みたいなどの希望も通りやすいのが派遣看護師のメリットです。
メリット②:高い時給をもらいやすい
派遣看護師は高時給で働ける傾向にあります。
職場によっても異なりますが、一般的にはパート勤務の看護師と比べて時給は高い傾向にあります。
後述しますが、サービス残業もないため、単純に時給だけであれば正社員と同等か、多いくらいのケースもあるでしょう。
ただし、賞与を入れると正社員の方が収入は多くなります。
賃金水準が低い地域で働く場合は、派遣で働く方が収入は安定しやすいかもしれません。
メリット③:サービス残業が発生しない
派遣看護師は、契約内容にない業務は発生しません。
つまり、サービス残業は存在しないのです。
これは労働派遣法によって、時間外手当のない残業が禁止されているためです。
どうしても人手が足りずに残業しなければならないときでも、しっかり残業手当がつきます。
また、勉強会や委員会など施設外の業務についても時給が発生するので安心です。
メリット④:人間関係で悩むことが少ない
派遣看護師は人間関係で悩むことがほとんどありません。
派遣看護師は短期で働く形態であり、同じ職場に長くいることがないためです。
どんな職場でも、長くいれば人間関係で悩むことがあります。
しかし派遣看護師であれば、いずれ契約満了となれば職場から去ります。
そのため、正職員と適切な距離感を保ちつつ、自分のペースで仕事をしやすいといえるでしょう。
メリット⑤:困ったことがあれば派遣会社に相談できる
派遣先で何か問題があれば、すぐに派遣会社に相談できるのも派遣看護師のメリットです。
派遣看護師は派遣先ではなく、人材派遣会社に所属しています。
そのため、派遣先に伝えたい要望があったり、トラブルが発生したときには、派遣会社を通して問題解決をしてもらえます。
直接雇用の場合は自分から上司に伝えなければいけないため、言いたくても言えずに我慢することが少なくありません。
派遣看護師であれば、無理に我慢せずに伝えられることは大きなメリットといえるでしょう。
生活環境に合わせて派遣看護師も検討してみよう
派遣看護師は人材派遣会社に所属し、派遣先の各施設にて働く形態の看護師です。
原則的に医療機関で働けないなどの制限があるものの、自分に合った条件の職場で働けるメリットがあります。
時給もパートに比べて高い傾向にありますので、短期単発で働きたい、自分らしく働きたいという方におすすめの働き方といえるでしょう。
派遣看護師の働き方には種類があり、将来的に正職員になりたいという場合は、紹介予定派遣という方法がおすすめです。
常用型派遣であれば、人材派遣会社の正社員として雇用されますので、収入が安定します。
本記事を参考に、自分の将来設計や現在のライフスタイルなどに合わせて、どのような働き方があっているか検討してみてください。