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認定看護管理者はマネジメントができる希少人材!認定証の取得を目指そう

認定看護管理者の認定証を取得することで、マネジメントのエキスパートとして認められ、収入がアップする可能性が高くなります。
本記事では、認定看護管理者の概要、求められる能力やレベル、認定証の取得までの流れを紹介していきます。

認定看護管理者とは

看護管理者は、管理者としての立場で病院の看護部門や病棟・看護現場全体をマネジメントする存在です。

日本看護協会では、「看護管理者とは、看護の対象者のニーズと看護職の知識・技術が合致するよう計画し、財政的・物質的・人的資源を組織化し、目標に向けて看護職を導き、目標の達成度を評価することを役割とする者の総称をいう」と定義しています。

引用:日本看護協会「看護にかかわる主要な用語の解説」
https://www.nurse.or.jp/nursing/home/publication/pdf/guideline/yougokaisetu.pdf

認定看護管理者とは、日本看護協会が認定する資格です。
受験資格を得るには、看護管理者の教育課程を修了するなどの要件を満たすことが必要です。
書類審査や筆記試験に合格して資格を取得すれば、看護管理者としての高いレベルの知識・スキルを有することが証明されます。

看護管理者になるために、必ずしも認定看護管理者の資格が必要なわけではありませんが、管理看護者はマネジメントを通して医療・看護の質向上に貢献する役割を持ちます。
そのため、管理看護者として高いレベルの知識・スキルがあると証明される認定看護管理者の資格は、キャリアアップとして管理看護者になることを目指している方には推奨できる資格といえます。

病院看護管理者のマネジメントラダー

日本看護協会では、「病院看護管理者のマネジメントラダー」を作成・公開しています。
地域包括ケア時代に突入し、看護管理者に求められる役割が拡大したことがその背景にあります。

病院看護管理者のマネジメントラダーは、看護管理者に求められる能力を6つにカテゴライズして、必要な能力を獲得する段階を示すための目安として4つの職位(レベル)で現しています。

以下では、病院看護管理者の「6つの能力」と「4つのレベル」を紹介していきます。

6つの能力
病院看護管理者のマネジメントラダーでは、病院看護管理者が地域にまで視野を広げ、今後も変化するニーズに対応できる看護管理を実践するにあたり、必要な能力を以下のように6つにカテゴライズしています。

  • 組織管理能力:組織の方針を実現できる看護組織をつくるため、さまざまな資源を活用する
  • 質管理能力:患者の生命・生活そして尊厳を尊重し、組織として看護の質を保証する
  • 人材育成能力:将来を見据えた上で、看護人材を組織的に育成・支援する
  • 危機管理能力:安全確保のために予測されるリスクを回避するとともに、トラブルが発生した際には最小限にその影響を抑える
  • 政策立案能力:看護の質を向上させるため、病院の制度・政策を立案・活用する
  • 創造する能力:組織全体の方向性を幅広い視野を持って見通し、新たなものを創り出すために挑戦する

4つのレベル
病院看護管理者マネジメントラダーでは、必要な能力を獲得する段階として4つのレベルを設定しています。
段階の目安とするため、参考として主任・看護師長・副看護部長・看護部長の職位に分けられています。

もちろん、各レベルは職位で決められるのではありませんし、レベルごとで各職位の職務内容や責任が生じるわけではありません。
あくまでも、職位分けは目安であることを理解しておきましょう。

  • レベルⅠ:看護主任:自部署の看護管理者と協力し、看護管理を実践する
  • レベルⅡ:看護師長:自部署の看護管理者として、中心となり看護管理を実践する
  • レベルⅢ:副看護部長:組織のトップマネジメントを担い、看護管理を実践する
  • レベルⅣ:看護部長:組織全体の管理・運営に参画するだけでなく、地域にまで視野を広げる幅広い看護管理を実践する

認定看護管理者の役割

看護職の女性

認定看護管理者には、どのような役割があるのでしょうか。
ここでは、各職位の役割や求められる能力について紹介していきます。

主任に求められる能力

現場のリーダーとして、各スタッフが看護業務をスムーズに行えるように看護業務の管理を行います。
看護業務を行いつつ、スタッフの業務進捗把握や調整、看護学生の実習の受け入れ調整、卒後臨床研修の実施など、幅広く現場を管理します。
看護師長の補佐という立場でもあるため、看護師長をサポートするマネジメント力が求められ、看護師長と現場スタッフの間にあるギャップを埋めるといった役割もあります。

看護師長に求められる能力

看護師長は、病院において病棟や部門の責任者として、経営陣と看護師をつなぐパイプ役として活動することが多いポジションです。
医療の質を高めるため、スタッフの教育・育成や職場環境の整備を行います。
また、患者さんが安全に医療を受けられるように医療事故の予防・再発防止策の導入・徹底を行うなど、環境整備も看護師長の役割です。
さらに多くの場合、スタッフの健康管理や勤務スケジュール管理などの管理業務も看護師長が行うのが一般的です。

看護部長・副看護部長に求められる能力

看護部門のトップであり、経営陣でもあるのが看護部長です。
病院の理念を共有し、それに基づいて目標を達成するためにさまざまなマネジメントを行います。
たとえば、看護部の業務計画や予算案の作成、人材採用計画の策定、教育・育成方針の計画、病院長・事務長との交渉など、その業務は多岐にわたります。
規模の大きな病院の場合、看護部長をサポートする役職として副看護部長をおくケースもあります。

看護管理者の年収事情

看護師の給料形態は病院によってさまざまです。
たとえば、管理職手当が加算されるケース、昇進により基本給そのものがアップするケース、またはそれらを組み合わせるケースがあります。

通常、一般的な看護師と比べると管理職の看護師は年収が高くなる傾向にあります。
役職のない看護師の年収は約519万円、中間管理職(看護師長・主任相当)の年収は約648万円ほどとされています。

ただし病院看護管理者になると、マネジメント業務が増えることから夜勤回数が減りやすくなります。
そのため、一時的に収入が下がる可能性もあるでしょう。

認定証の交付・登録までのSTEP①:要件を満たす

認定看護管理者の教育課程は、3段階に分かれています。
ここでは、それぞれの教育課程を受講する要件を紹介していきます。

教育課程ファーストレベル

教育課程ファーストレベルでは、以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を有している
  • 看護師免許取得後、実務経験が通算で5年以上ある
  • 病院における管理業務に関心を持つ

教育課程セカンドレベル

教育課程セカンドレベルでは、以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を有している
  • 看護師免許取得後、実務経験が通算で5年以上ある
  • 認定看護管理者教育課程ファーストレベルを修了している。または看護部長相当の職位にあるか、副看護部長相当(※1)の職位に1年以上就いている

教育課程サードレベル

教育課程サードレベルでは、以下の要件を満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を有している
  • 看護師免許取得後、実務経験が通算で5年以上ある
  • 認定看護管理者教育課程セカンドレベルを修了している。または看護部長相当の職位にあるか、副看護部長相当(※1)の職位に1年以上就いている

※1:副看護部長相当の職位とは、保健医療福祉に関連した組織にて、看護管理を行う立場の職位を指します。

認定証の交付・登録までのSTEP②:認定審査に合格する

認定看護管理者教育課程サードレベルを修了している、または看護管理に関連する学問領域において修士以上の学位を取得していれば、認定審査を受けられます。
認定審査は書類審査と筆記試験で行われ、合格することで認定看護管理者の資格を取得できます。
審査の合否については「資格認定制度 審査・申請システム」にて発表され、合格した場合は所定の金額を振り込むことで認定証が送付されます。
認定看護管理者は、受験資格の要件を満たすハードルが高い一方、合格率は高い傾向にあります。

資格を喪失した方:再認定審査を受けられる

認定看護管理者は、そのマネジメント力のレベルを保つために、5年ごとに更新が必要です。
もし資格を喪失してしまった場合は、再認定審査を受けられます。

再認定審査を受ける要件は以下の通りです。

  • 日本の看護師免許を持つ
  • 過去に「認定看護管理者」として認定されている
  • 過去5年間に、下記の看護管理実践および自己研鑽実績がある
  • 看護管理実践:看護管理実務時間が2,000時間以上、認定看護管理者に求められる看護管理能力を発揮している
  • 自己研鑽実績:実践活動などの実績や制度委員会で認めている学会などへの参加・発表実績があり、それらを合わせて50点以上である

マネジメント力を示すことができる認定看護管理者

認定看護管理者は、看護管理者として高いレベルの知識・スキルを持つと認められる資格のことです。
認定看護管理者の資格がなくても、昇進によって主任や看護師長などの看護管理者になることは可能です。
しかし、看護管理業務の質を高め、病院全体の環境を整えるとともに、質の高い地域医療への貢献を考えた場合、資格を有していた方がより良いといえるでしょう。
受験資格の要件を満たすのはややハードルが高いものの、合格率は高いのが特徴です。
看護管理者としてのキャリアアップを目指すなら、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。