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急性期病院と療養型病院で働く看護師について知ろう!仕事内容やメリット・デメリット

急性期病院と療養型病院では、入院してくる患者さんの目的に違いがあるため、どちらも一般病棟とは異なる特徴があります。
本記事では、急性期病院と療養型病院のそれぞれの特徴、それぞれの職場での看護師の仕事内容、メリット・デメリットや給与事情について解説します。

急性期病院とは

急性期病院は、病気になり始めの急性期の患者や重症患者、事故などによる重症外傷の患者を受け入れ、24時間体制で治療を行う病院のことです。
急性期の患者や救急の患者の治療を行う医療機関であり、大学病院や総合病院、または専門病院などの設備・体制の整った病院が急性期病院の役割を担います。

また、急性期病院は消防法に基づいた救急告示病院としての役割もあり、救急患者の受け入れも行います。
救急告示には、初期医療である一次救急から重篤疾患・多発性外傷の患者に対応する三次救急まで3段階あります。
どの段階の救急医療を担うかは、急性期病院の医療提供レベルに応じて都道府県知事が指定します。

何次救急に指定されているかによって、搬送されてくる患者や仕事内容が変化します。
希望してい急性期病院が何次救急に指定されているのかを把握すると、スムーズに仕事を進められるでしょう。

看護師の仕事内容

急性期病院における看護師の仕事内容は、療養型病院とそこまで違いはありません。
ただし、急性期の患者や重症患者、事故などにより重症外傷の患者が搬送されるため、手術の準備や医療処置が多く、さまざまな医療機器も使用します。

また、急性期の患者さんは状態が安定しないことも珍しくありません。
そのため、常に患者さんの状態に目を配り、的確に判断・行動、異変があればすぐ報告することが大切です。

さらに、医師・薬剤師・その他職種と連携して患者さんをケアする、チーム医療が重視されますので、コミュニケーション能力も大切です。
最新医療技術・機器にふれる機会も多く、前向きに学ぶことが大切です。

療養型病院とは

療養型病院とは、急性期の治療を終え、長期の療養または治療よりも長期の介護が必要とされる慢性期の患者さんのケアを行う病院です。
高齢者や重介護の患者さんが多くいるのが特徴です。
患者さんは手術や治療を目的としているわけではなく、療養・介護が目的となるため、急性期病院よりも長く入院することがほとんどです。
患者さんによっては、1年以上にわたって療養型病院で過ごすケースもあります。

看護師の仕事内容

療養型病院で働く看護師の仕事は、基本的な部分では急性期病院の場合と大きな違いはありません。
特徴としては、長い療養生活を送る慢性期の患者さんをケアしてサポートするということです。
療養型病院に入院する患者さんは、急性期の治療を終えていて状態は安定しています。

ただし、多くは寝たきりの方や認知症の方など、介護を必要とする患者さんたちです。
そうした患者さんたちが安心して療養生活を送れるように、おむつ交換や入浴介助、シーツ交換などといった日常的なケアを行います。

また、経管栄養や褥瘡といった処置も患者さんの状態によっては必要です。
意思疎通が難しい患者さんもいるため、気配りはもちろんですが、顔色や動作などのささいな変化を見逃さない観察力も求められます。

急性期病院で働くメリット・デメリット

急性期病院で働く場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

急性期病院は重篤な患者さんや症例の少ない病気の患者さんに対応するため、最新の医療技術や医療機器、薬が揃っています。
そのため、医療の最先端の技術や機器、薬について間近で学ぶことができます。
状態の安定しない患者さんのケアをすることから、判断力や対応力を磨くこともできるでしょう。
高度なスキルや知識、的確な判断力・対応力を身につけられるため、成長意欲のある看護師にとってはやりがいある職場といえるでしょう。

また、急性期病院は手術や投薬などを経て、回復して退院していく方も多いです。
数日前まで容態が悪かった患者さんが、医療を通して元気になる姿を短期間で見られることで、達成感を得やすいのもメリットです。
給与面では、残業手当や夜勤手当もつきやすいため、高くなりやすいのもメリットといえるでしょう。

デメリット

急性期病院は患者さんの入退院のサイクルが早い傾向にあったり、救急搬送や容態の急変などに対応したりする必要があります。
そのため、体力的にきつい面もあるでしょう。

また、患者さんの入れ替わりが激しいため、一人ひとりの患者さんと時間をかけて向き合いにくくなりやすいです。
とはいえ、それは多くの患者さんと出会い、たくさんの方のケアをできるということでもあります。
展開が早いということは、それだけ多くの経験を積めるということでもありますので、前向きに捉えれば、デメリットはむしろメリットといえるかもしれません。

療養型病院で働くメリット・デメリット

療養型病棟で働く場合、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

療養型病院に入院する患者さんのほとんどは、状態が安定しているため、ルーティンワークで計画的に仕事をこなせます。
医療行為が少なくどちらかといえば日常的なケアが主になるため、現場を離れていた方や、じっくり学んでいきたいという方に向いています。
残業も少なくなりやすいため、プライベートの時間を持ちやすいのもメリットです。

また、療養型病院の患者さんはケースによっては、1年ほど入院する場合もあります。
計画的に仕事をしやすいこともあって、患者さん一人ひとりとじっくり向き合えるのも魅力です。

デメリット

療養型病院は医療行為よりも日常的なケアがメインであるため、おむつ交換やトイレ・入浴介助などの力仕事が多くなります。
そのため、ある程度の筋力・体力がないと大変です。
その一方でほぼ毎日、多くのケア業務を行うことになるため、基本的なケアを丁寧にできるスキルや心配りを身につけられます。

また、療養型病院では高度な医療行為を学ぶ機会があまりありません。
そのため、新たなスキル・知識を学ぶ場としてはやや物足りないと感じるかもしれません。
とはいえ、一つひとつの医療行為をじっくりすることになりますので、丁寧さや繊細さが身につきやすいです。

それぞれの環境で働く看護師の給料事情

2人の看護師

急性期病院の場合、入退院準備の作業も多く、患者さんの急変や救急搬送への対応などがあるため、残業手当や夜勤手当がつきやすいです。
そのため、給与は高くなる傾向にあります。
病院によっては、オンコール手当や特殊勤務手当などもあってさらに高くなる可能性があります。
療養型病院の場合は、一般病棟と同じくらいの給与になる傾向にあります。
ただし、病棟勤務になる場合は夜勤手当もつきますので、満足いく水準になることでしょう。
また、社会福祉法人が経営している療養型病院はボーナスが高い傾向にあります。
そのため、年収が高くなることもあります。
傾向としてはこのような形ですが、勤務先によっても大きく異なるため、事前に求人票の確認や先輩から情報を得るなどしておくと良いかもしれません。

それぞれの特徴を知って自分に合った職場選びをしましょう

急性期病院と療養型病院はそれぞれ全く異なる特徴を持っています。
重篤な患者さんが多く、ベッドの回転の早い急性期病院では、最新医療について学びやすく経験も多く積めます。
一方、療養型病院は慢性期の患者さんが入院する病院であり、日常的なケアが業務の中心で、患者さんとじっくり向き合えます。
病院の特徴、魅力ややりがいを理解して、自分に合った職場をお選びください。