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高齢者にとって重要なフットケア。どのような方法でケアをする!?

介護職が行う仕事のひとつとして「フットケア」があります。
多くの業界人に注目されているトピックの1つです。

本記事では、フットケアの重要性やフットケアを行うことのメリット、フットケアの具体的なやり方について解説していきます。

フットケアはなぜ重要なのか

フットケアとは、文字通り「足のケア」をすることです。
歩行はすべての運動の基本であり、運動は筋力維持に直結するものであり、そして筋力はその人のQOLを考えるうえで非常に重要になってくるものです。
しかし新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、ご高齢の方の歩行頻度や運動量は著しく低下してしまいました。

これらが低下すると、必然的に筋力も弱り、介護度が上がってしまう可能性も高くなります。
また年齢を重ねた人の肌は、(足に限ったことではありませんが)トラブルを起こしやすく、たやすく角質化します。

また、「褥瘡」といえば腰に起きるものという印象を持ちがちですが、実はかかとにもこれは発生します。
足を動かす頻度が低すぎるとこれらの問題はさらに起きやすくなります。
もちろん一番望ましいのはしっかりと運動量を確保することではありますが、体調面の話や新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり、これが難しい人も多いかと思われます。

このような状況を打破・改善するための方法として「フットケア」があるのです。

フットケアを行うメリット

フットケアを行うことには、数多くのメリットがあります。
まず一つ目が、上でも述べた「介護度の上昇リスクを避けられる」という点です。
フットケアを行うことで血行を良くすることができますし、フットケアがされていないがために起きた痛みが原因で歩行が行えなくなるという事態に陥ることも避けられます。

加えて重要なのは、「フットケアによってトラブルを事前に察知しやすくなる」という点です。
介護業界は常に人手不足であり、お一人おひとりの利用者様に向き合える時間は限られています。
しかしそのなかでもフットケアという概念を取り入れることによって、足に起きているちょっとした異常や放置しておくと悪化しそうな足のトラブルに気づきやすくなります。
ご高齢の方の足のトラブルに限ったことではなくほかのあらゆる異常についていえることですが、早期発見は早期治療につながります。

また、しばしば見落とされがちなことではありますが、フットケアには「気持ちよい」という感覚的なメリットもあります。
私たちは、機能的でありさえすれば幸せであるという生活にのみ価値を置いているわけではありません。
QOLを高めるために、自分自身を満足させるために、より自分にとって快適な生活を送るために、さまざまな方法をとります。
高齢者のフットケアを考えたときそのメリットとして、「機能面の向上」「異常の事前察知」などがまず筆頭に上がってきますが、「利用者様にとって心地よいサービス」としてフットケアがあることもまた覚えておきたいところです。
フットケアを行うことで利用者様の気持ちが前向きになり、ポジティブになるというメリットは、人を見る介護において非常に重要なものです。

フットケアの具体的なやり方

フットケアという言葉は、広い意味では「よりその人に合った靴の選定」「爪のカット」などをも含むものです。
ここでは、介護施設で行われる湯を使ったフットケアの方法にのみ注目していきましょう。

1.お湯につかる~よく拭く
まずは足を入浴させます。
全身浴を行った後にフットケアをする場合もありますが、足だけをつけるタイプの足浴を選ぶ場合もあります。

2.爪の状態などを確認する
すでに述べた通り、フットケアのメリットとして「足に異常がないかを確認する」というものがあります。
爪に異常はないか、つまさきに変形はないか、かかとの角質はどうなっているかなどを見ましょう。

3.必要に応じて爪をカットする
爪が伸びている場合はこれをカットします。
まずは横一文字に切って(スクエアカット)、そののち角をカットします。
必要に応じてニッパー・爪切り・やすりなどを使い分けましょう。

4.保湿
足をもむ前に保湿を行います。
ハンドクリームやボディクリームを使うのが基本です。
冬の時期は特に乾燥しやすいので、しっかりつけましょう。

5.足をもみほぐす
かかとを持ち左右に回転させたり、足の裏を指で刺激したり、足の甲をもんだり……といったやり方で、足をほぐしていきます。
爪周りもしっかりケアしましょう。

フットケアの意味と介護の関係

人の体を支える「足」は、私たちにとって非常に重要なものです。
年齢を重ねるとこの足にもさまざまな障害が起きたり、筋力の弱まりによるトラブルが起きたりします。
このような変化を完全にブロックすることはできません。
しかしフットケアを行うことで、そのリスクを下げることはできます。
介護職として、フットケアの重要性を知っておきましょう。