リアルジョブ | 介護職・看護職・保育職の求人・転職サイト

認定看護師の資格を取得してキャリアアップを目指そう!専門看護師との違いとは?

看護師のなかでも、特別な知識と技術を持つと認められている看護師がいます。
そのうちのひとつが、認定看護師です。

本記事では、認定看護師とは、認定看護師と専門看護師の違い、認定看護師になるまでの流れについて解説していきます。

認定看護師とは

認定看護師とは、看護師資格を持つ人が目指せる資格および業務のうちのひとつであり、特定の分野において深い知識と技術を持っていることを認められた看護師のことを指します。

認定看護師に求められる3つの役割り

認定看護師に求められることは、大きく3つあります。

1つ目の役割りは「実践」です。
培ってきた技術と深めた知識によって、質の高い看護を患者に提供することを目的とします。

2つ目の役割りは「他者の指導」です。
自分のみが高い水準の看護を提供できればよいわけではないので、職場全体の看護ケアレベルの向上を目的として、ほかの人に指導を行っていきます。

3つ目の役割りは「相談」です。
看護や医療の現場では、ひとつの専門職だけが尽力していてもなかなか上手くいかないことが多いといえます。
認定看護師は、看護師仲間を含めさまざまなスタッフからの相談を受けて、解決策などを出していくことも業務の一環とします。

2023年時点の認定看護師制度は2つある

注意点として知っておきたいのが、2023年時点では「2つの認定看護師の制度」が混在していることです。
古い方の認定看護師制度(認定看護師制度A)、新しい方の認定看護師制度(認定看護師制度B)が存在しているのです。

認定看護師制度Aは1995年に始まったものであり、2022年の現在でも続いています。
しかしこの認定看護師制度Aは、2026年には終了する予定です。
認定看護師制度Bは、2018年から検討されてきた新しい認定看護師の制度です。
これは2020年に始まり、2026年以降も続いていくものです。
2023年は認定看護師制度Aから認定看護師制度Bの過渡期にあるため、両方の制度が一緒に存在している状態です。

認定看護師制度A「21分野」・認定看護師制度B「19分野」

認定看護師制度Aには、21の分野があります。
そのなかには、がんや糖尿病、慢性心不全などの「病気」を対象としたものから、小児救急や新生児などの「人」を対象としたもの、さらには緩和ケアや救急看護のような「状態」を対象としたもの、また訪問看護などを対象としたものまであります。

新しい認定看護師制度Bには、19の分野があります。
認定看護師Aと共通の分野も数多くあるのですが、認定看護師制度Aにあった「救急看護」と「集中ケア」→「クリティカルケア」というかたちで統合されるなどの変化が起きました。
ただし、認定看護師制度Aのときにはあり、認定看護師制度Bのときには存在しないという分野はありません。
上述した通り、あくまで「統合」されたものです。

認定看護師と専門看護師の違い

認定看護師と似たものとして、専門看護師があります。
ここでは、認定看護師と専門看護師の違いについて紹介していきます。

仕事の内容の違い

認定看護師も専門看護師も、専門分野において卓抜した知識と技術を持ち、ほかのスタッフへの指導や相談業務も担うという点には違いはありません。
ただし、専門看護師は仕事の内容のなかに「研究」が含まれます。
また専門看護師の場合は、倫理観との折り合いをつけてそれぞれの人が持つ倫理的な葛藤をどのように解決していくかを考えるという仕事も含まれています。
加えて専門看護師の場合は、介護や看護、医療を担うほかのスタッフとの「調整役」として動くことも求められます。
このようなことから、専門看護師は認定看護師よりもさらに多くの仕事を求められるといえるでしょう。

対象者の違い

認定看護師は、特定の状態や病気を患う患者本人にアプローチしていくことを業務とします(※分野によってはご家族を対象とすることもありますが、その範囲は限定的)。
対して、専門看護師の場合はご家族や地域、施設をも対象とします。

果たすべき職務上の違い・対象範囲の広さの違いから、認定看護師よりも専門看護師になる方が難しく、資格の取得難易度も異なります。
詳しくは後述しますが、認定看護師は最短で600時間教育機関で学べば取得できますが、専門看護師の場合は2年間教育機関で学ばなければなりません。

分野の違い

認定看護師の制度には、透析看護や皮ふ・排せつケアが含まれますが、専門看護師の制度にはこれらの分野は含まれません。
一方、専門看護師制度では「災害看護」「遺伝看護」が分野として存在しますが、認定看護師の制度のなかにはこれらは含まれません。

認定看護師も専門看護師も、看護のスペシャリストという点では共通しています。
ただし、職務内容や対象者、資格の取得難易度などが違います。

認定看護師になるまでの道筋



ここでは、認定看護師になるまでの道筋について紹介していきます。

  1. 看護師資格を取る
  2. 実務研修期間5年(内認定看護分野での実務研修期間3年以上)を積む
  3. 認定看護師の教育機関に入学する。認定看護師制度Aの場合は半年以上1年以内(600時間)だが、認定看護師制度Bの場合は1年以内(800時間)かけて学ぶ必要がある※認定看護師制度Aの教育機関による教育は、2026年度で終了。認定看護師制度Bの教育機関による教育は、2020年から始まり、以降継続予定。
  4. 認定看護師の名簿に登録される

なお認定看護師は、認定看護師として登録されれば終わりというものではありません。
5年ごとに更新が必要ですし、その際には「看護を実践してきたか」「自己研鑽は積んできたか」の書類審査が行われます。
なお5年ごとの更新は、認定看護師だけでなく専門看護師にも課せられるものです。

看護師として働き始めた後に、再度教育機関に通わなければ取れないというデメリットはあるものの、認定看護師の資格を取得することで活動範囲は広がりますし、昇進や昇給も期待できるでしょう。
また、介護・看護・医療の分野は慢性的な人手不足であるため、就職・転職活動は常に売り手が優位な状況にありますが、就職・転職活動を有利に進めることができます。
自分の専門分野を伸ばし、深い知識と技術を身につけることでやりがいや仕事のモチベーションをアップできるというのも大きな魅力といえます。

キャリアアップのために認定看護師を目指そう

看護師のキャリアアップのためのステップのひとつである「認定看護師」という選択肢は、特定分野において卓抜した知識と実践力を持っていることを保証するものです。
認定看護師となるためには5年以上(内認定分野3年以上)の実務研修を経た上で認定看護師養成のための機関に入り学ばなければなりませんが、その価値は十分にあるといえます。
自分が極めたいと考えている分野を学び、それを現場で生かしていこうとすることは、看護師として大きな飛躍の機会となるでしょう。