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無資格の介護職従事者への研修義務化はいつから?研修内容と併せて紹介

介護職は、人の命にも関わる職業です。
そのため現在では「無資格で介護職に従事している人間に対して、研修を義務化すべきである」という考え方も出てきました。
本記事では、介護職の研修義務化について紹介していきます。

認知症介護基礎研修の対象者

無資格者に対して研修の義務化という考えのひとつとして、「認知症介護基礎研修」があります。

これは、意思の疎通ができないあるいは困難である認知症の人を介護する人間が身に着けておくべき基礎知識・基礎技術を会得するための研修だといえます。
対象者は、介護に直接関わる職員であり、かつ医療・福祉系の資格を持っていない人に対してです。
ただし、介護に関わる人間といっても、「福祉用具貸与のみを行っている事業者である」などのような場合は、資格を持っていなくても認知症介護基礎研修は免除されます。

またこれはあくまで「無資格者」に対して科せられるものです。
そのため、看護師や介護福祉士、あるいは作業・理学療法士や言語聴覚士、医師、あんまマッサージ師などは対象外です。
「福祉・医療」とは少し離れた資格であるようにも感じられる栄養士であっても、認知症介護基礎研修は免除されます。

加えて、2018年にできた非常に新しい資格である「生活援助従事者研修修了者」などを持っている人もまた、この研修を免除されます。
ちなみに、「福祉系の高校を選び、そこを卒業した」などの人も、研修の免除対象者として扱われます。

認知症介護基礎研修の適用はいつから?

認知症介護基礎研修ですが、この通知が出されたのは2021年の3月のことです。
そのため、「今すぐに取らせるように」などのような姿勢は打ち出されていません。 措置猶予期間として、3年間が設けられています。
また新入職員の受講についても、1年の猶予期間が設けられています。

認知症の人の尊厳を保護・高めることを目的として研修が義務付けられた認知症介護基礎研修ですが、2023年度まではあくまで「努力義務」にとどまります。
認知症介護基礎研修が完全に義務化するのは、2024年からとなります。
ただし、事業者であるならば2021年の段階から徐々に取り組むようにするべきでしょう。
2021年から取り組んでいけば、完全義務化された後もとまどわずに済みます。

認知症介護基礎研修の内容

認知症介護基礎研修の内容についてもみていきましょう。
なお、下記で紹介するのはあくまで「一例」です。
都道府県別に多少研修内容が変わってくる可能性もあります。

1.認知症の人が置かれている現状
2.認知症とは何か、その原因の病気とは
3.よくみられる症状、また認知症の人がとる行動や心理症状についての理解
4.認知症の人を介護するうえでの、基本となる理念と考え方
5.認知症の人を介護するときの基礎的な技術
6.認知症の人とコミュニケーションをとるには
7.ケアの工夫

認知症介護基礎研修自体はそれほど長いものではなく、わずか6時間程度(講義+演習)で終わります。
また受講にかかる費用は、テキスト料の1000円程度です。
このため、「仕事を休んで通わなければならない」「時間とお金がかかる」などのようなことはありません。
加えて、これらはe-ラーニングでも受けられるとされています。

認知症介護基礎研修の導入とその意義

「無資格の人であっても、認知症を患う人と円滑なコミュニケーションをはかることができるように」「認知症の人が尊厳を失わずにいられるように」を目的として導入が義務付けられた認知症介護基礎研修は、2024年から実施が完全義務化されます。

ただし、これにかかる時間や費用は多くありません。
事業者は、無資格の介護業務従事者がより良き介護・より安全な介護をできるようにするために、これを受けさせるように動かなければなりません。