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介護士が覚えておきたい床ずれの基礎知識

「床ずれ」は、介護に携わる人は一度は耳にしたことがあるかと思います。
本記事では、改めて「床ずれとは何か」「床ずれを予防するために意識したいこと」「介護のなかで床ずれを防ぐ方法」について紹介していきます。

床ずれとは

床ずれは、「褥瘡(じょくそう)」と書かれることのあるものです。
寝たきりの人や、ご自身で動くことが難しい人などにしばしば見られます。

マットレスなどと長時間触れている部分の血のめぐりが悪化することによって起こるもので、初期段階では軽い痛みやかゆみを伴うことが多いようです。
しかし悪化していった場合、痛みやかゆみが増し、該当部分が壊死する可能性もあるようです。
また最悪のケースでは、感染症が引き起こされ、死に至ることもあるようです。
もともと床ずれができる部分は尿や便などによって汚れやすいことなども、このような重篤な症状を招く原因と考えられています。

床ずれを予防するために意識しておきたいこと

床ずれは、「同じ個所が長時間マットレスなどに設置していること」によって起きます。
詳しくは次の項目で紹介しますが、体圧を分散させる方法をとったり、スキンケアを適切 に行ったり、介護用品を利用したりする意識を持てば、床ずれを予防しやすくなります。

また、「栄養管理」も重要といえます。
加えて、「床ずれが起きていないか(あるいは起きそうな予兆がないか)」を確認するために、介護される方の皮膚の状態を毎日欠かさずチェックするようにすることも有用です。

介護のなかで床ずれを防ぐ方法

ここからはより具体的に、床ずれを防ぐ方法について解説していきます。

床ずれを防止するための方法として真っ先に取り上げるべきは、やはり「体位変換」です。
2時間に1回程度体位を変えるだけで、床ずれは予防できるとされています。
また、摩擦やずれが生じないように、シーツのシワをきちんと伸ばし、寝具を整えるのも効果的です。

「スキンケア」というと美容のためのものと思われがちですが、この視点も床ずれ防止には非常に重要です。
皮膚が乾燥した状態だと外部からの刺激に敏感に反応し、床ずれを招いてしまう可能性が高くなります。
そのため、保湿剤の配合されたスキンケアクリームなどを適宜利用しましょう。
ただし、「床ずれの防止」を必要とする方の場合、介護オムツによる蒸れが懸念される状態にある人も多くいます。
お一人おひとりの状態に合わせてスキンケアアイテムを選ぶことも重要です。

介護用品の助けを借りるのもよいでしょう。
現在は、体圧を分散させる効果のあるマットレスなども出ていますし、姿勢を維持することに役立つクッションもあります。
これらを利用することは、介護される方の負担を軽減するだけでなく、介護する側の負担を軽減することにもつながります。

「栄養面」についても注目しましょう。
食事はすべての基本となるもので、食べる物によって健康な皮膚が作られます。
健康な皮膚を保つことができれば、床ずれも起きにくくなります。
肌の土台となるたんぱく質はもちろん、ビタミン類やミネラル分もしっかりとっていきましょう。

床ずれは急に起こるもの

床ずれは非常に大きな問題となるものです。
体位交換は介護職の基本となるものであり、介護施設では時間ごとにきちんと行われています。
しかしメインの介護をご家庭で行う場合は、「床ずれが起きるかもしれないこと」「床ずれを防ぐための方法」をプロとして伝えることも必要になるかもしれません。