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介護士が覚えておきたい「介護オムツ」のこと

介護職として働く人は、「介護オムツ」に触れる機会も多いと思われます。
本記事では、介護オムツとは何か、介護オムツの種類、介護オムツの履かせ方・交換のタイミングについて解説していきます。

介護オムツとは

介護オムツとは、主に大人を対象とするもので、自分自身で排尿・排便のコントロールが難しくなった人が使うオムツのことを指します。

「寝たきり状態であり、昼夜問わず介護オムツを必要とする」という人もいれば、夜だけ介護オムツを提案される場合もあります。
なお医師がその必要性を認めた場合は、介護オムツの購入費用が医療費控除で賄われることもあります。

介護オムツの種類

介護オムツには、大きく分けて2つの種類があります。
「アウター」と呼ばれる外側から覆うタイプと、「インナー」と呼ばれる内側に仕込むタイプです。

アウタータイプの場合、下着と同じように下半身を覆う「パンツタイプ」と「テープ止めタイプ」に分かれます。
パンツタイプは見た目が下着とほとんど同じであるため、介護オムツに抵抗感を持つ方にも使用を促しやすいのがメリットです。
特に薄手のものの場合、羞恥心や抵抗感をフォローすることができるでしょう。
また尿漏れの量が多い人であっても、厚手で吸水性に優れたものを使えば対応することができます。

「オムツ」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、おそらくテープ止めタイプでしょう。
腰回りをテープで止めて使うもので、パンツタイプよりも体にフィットするのがメリットです。
このため尿や便がもれにくくなっており、要介護度4以上の人であっても使いやすくなっています。

内側にあてるタイプの介護オムツは、アウターの介護オムツを補佐する役割を果たすものです。
尿取りパットの一種であり、アウターにプラスで使います。
これを使うことで、アウターを変える手間を減らすことができます。
また、アウターを取り替えずにインナー交換だけで済むこともあるため、経済的であることも魅力のうちのひとつです。
特にご家族が介護を受け持つ場合、その手間と時間、経済的な負担を減らすことができるとして重宝されます。

介護オムツの履かせ方・交換のタイミング

介護オムツは、こまめに交換することが求められます。
子どものオムツと同じで、そうしなければ蒸れてしまうからです。
この蒸れは皮膚トラブルを引き起こしますし、何より利用者の方にとって非常に不快な状況を招きます。

夜間の介護の場合、寝る前に一度交換を行います。
介護施設の場合はプロである介護士が夜間に複数回交換を行うのが理想ですが、ご家族が介護の大半を担っている場合はご家族の負担具合によって交換回数も調整します。

下着タイプの介護オムツの場合は、まずは介護オムツを下げて臀部側からパットを抜きます。
そのあとでパットを2つに折って股間に当て、新しい介護オムツを引き上げます。

テープタイプの介護オムツは、交換前にまず開き、ギャザーを立ててその間にパットを入れます。
介護される方の背骨が介護オムツの中心に来るように調整しながら体を倒し、股間部分にパットを密着させます。
その後でギャザーが足の付け根に沿うように注意しながら包み、テープを止めます。

「排泄」は人間の尊厳に深く関わる部分です。 介護職にとって介護オムツの交換は「当たり前の仕事」ですが、できるだけ介護される方の心に寄り添い、その羞恥心などを理解したうえで取り組んでいくことが重要です。

介護オムツは介護者の尊厳に関わることだと意識する

「食事の介助などを受けることに抵抗感はなくても、下世話をしてもらうのは抵抗がある」という人は多いものです。
このような前提もあるため、「できることは自分で」の原則に基づき、介護オムツを使うことになったとしてもできるだけ自分で履き替えを行ってもらうようにしなければなりません。
そして人の手で介護オムツを交換しなければならなくなったときがきた場合は、介護される側の心に寄り添い、的確に交換をしていく必要があります。