介護職の1つ「ガイドヘルパー」。必要となる資格や向いている人
介護職にはさまざまな種類があります。
それぞれの役割がリンクすることもありますが、違う仕事をすることもあります。
本記事では、「ガイドヘルパー」に焦点をあてて解説していきます。
目次
ガイドヘルパーとは
ガイドヘルパーとは、「移動介護従事者」を指す言葉です。
また、外出介護員と呼ばれることもあります。
名前からもわかる通り、障がいを持つ人の外出・移動を手助けするための職だといえます。
なお厳密には、ガイドヘルパーは「障害者総合支援法」によって定められたものであり、介護保険上の資格ではありません。
ガイドヘルパーの種類
ガイドヘルパーの種類は3つに分けられます。
全身性障害者ガイドヘルパー
四肢などに障がいがある人を、手助けする役目を担います。
自分で歩ける人の場合は、車などに接触しないように誘導を行い、自分で歩けない人の場合は車椅子などを使います。
これを仕事とする人のための資格は「全身性障害者ガイドヘルパー」であり、全身性障害者過程研修を修了する必要があります。
なお研修期間は3日間程度ですが、すでに介護福祉士の資格などを持っている人の場合は、科目免除の優遇措置を利用できます。
視覚障害者ガイドヘルパー
「同行援護従業者養成研修」と呼ばれる5日間程度の研修期間を経て取ることのできる資格に基づき、目の不自由な人をサポートするための仕事です。
ガイドヘルパーは外出のサポートを仕事としますが、この場合は、「目が不自由」ということもあり、代筆や文章の読み上げを担当することもあります。
なおこの「視覚障害者ガイドヘルパー」が3つのガイドヘルパーのなかで、もっともニーズが高いといわれています。
知的・精神障害ガイドヘルパー
「行動援護従事者養成研修」を修了した人に与えられる資格に基づき、知的・精神的な障がいを負う人のサポートをするのが「知的・精神障害ガイドヘルパー」です。
なおこの「行動援護従事者養成研修」の研修期間は、開催団体によって異なりますが、おおむね3日程度でしょう。
それぞれの人の障がいに応じたコミュニケーション方法を選び、安全に導くのが知的・精神障害ガイドヘルパーの役割です。
ガイドヘルパーの主な勤務先
勤務先は、居宅サービスを提供する訪問介護事務所などでの働き方が中心となるでしょう。
また、障害者支援施設での活躍も見込まれます。
介護職のニーズは非常に高く、ガイドヘルパーを雇いたいと考えているところも多くあります。
そのためこの資格を持っていると、これらの施設での採用率が大きくアップするでしょう。
また施設によっては、「未経験者歓迎、資格取得までのお金を出す」としているところもあります。
ガイドヘルパーに向いている人
福祉・看護・医療の世界において「向いている人はどのような人か?」と問われた時、多くの人が「優しい人」だと答えるでしょう。
これは確かに基本となる考え方ではありますが、「優しいだけ」ではガイドヘルパーは務まりません。
ガイドヘルパーに求められるのは「優しさ」だけではありません。
・確かな知識に基づいた適切な行動
・危険が迫った時に、迅速に対応できるだけの判断力
・自分1人の身だけではなく、利用者様の体と心を守ることができるだけの体力
これらの要素も重要となるでしょう。
ガイドヘルパーは需要の高い職業
「外出・移動」に特化した介護職であるガイドヘルパーのニーズは非常に高いものであり、今後もニーズが絶えることもはない職業といえるでしょう。
研修修了後に取得できる資格ですが、「どの種類のガイドヘルパーになりたいか」によって受けるべき研修が変わってくる点には注意が必要です。
優しさと対応力に富んだガイドヘルパーは、介護施設などでとても重宝されることでしょう。