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ヤングケアラー以外の年齢の「ケアラー」にも支援を!年代ごとの悩みや課題

介護は、受ける側にとっても難しさをはらむものですが、介護をする人間にとっても大きな難しさをはらむものです。
本記事では、介護をする人間(ケアラー)の年代別の悩みや課題について紹介していきます。

ケアラーの基礎知識

ケアラーとは、「介護をする人」を指す言葉です。

介護をすべて外注しようとすると金銭的な負担が大きくなるという問題がありますし、「家族のことは家族でどうにかしなければならない」という考えから外注すること自体に忌避感を持つ家庭もあります。
しかし介護には多くの時間が必要になりますし、精神的な負担も大きいものです。
そのため、メインのケアラーの健全な生活が阻害されてしまうこともよくあります。

どのような問題が起きやすいかは世代によって違うため、下記ではそれについて解説していきます。

10代~40代のケアラーが抱える悩み

ここでは、10代~20代の世代と30~40代の世代に分けて、それぞれの世代のケアラーが抱きやすい課題について解説します。

10代~20代のケアラーの課題

10代~20代のケアラーは、特に「ヤングケアラー」と呼ばれています。
本来ならば自分のことをメインに考えて生きていられる世代であり、学業や友人との付き合い、恋愛関係やスポーツ、趣味などを楽しめる世代である彼らが介護者になることで、健全な青春時代が大きく損なわれることになります。

「まだ夕方の17時で部活中だけれど、家に帰って祖母の介護をしなければならない」
「結婚したい人ができたけど、介護をしなければならない家族がいるということで難色を示された」
などのような状況が考えられます。

30代~40代のケアラーの課題

30代~40代は、子育て世代といえる時期です。
第一子の出産平均年齢は30歳であることを鑑みると、この世代は子どもを産むあるいは小さい子どもを育てる世代だといえます。
そのような世代が介護を担うことになると、「育児の時間を減らして介護をしなければならない」「育児も介護も両方とも完璧にやろうとすると、自分の睡眠時間を削るしかない」といった課題が生まれやすくなります。

また、現在は共働きの家庭の方が多くなっているため、子育て・仕事・介護の3つをすべて成り立たせなければならなくなるケースもよく見られます。

50代以降のケアラーが抱える悩み

ここでは、50代以降のケアラーの悩みについて解説していきます。

50代~60代のケアラーが抱える課題

統計によって多少異なりますが、50代以上はもっとも平均年収が高くなる時期です。
つまり、多くの人が仕事に打ち込んでいる時期であるといえます。
この時期に要介護者を抱え込むとなると、仕事に支障が出てしまう可能性が極めて高いといえます。

さらにこの時期は、「現役最後の時期」となる方も多いです。
この時期に自分の老後資金を貯めなければならないケースも多く、介護によってその収入が損なわれた場合、自分たちの老後にまで影響が及ぶ可能性が高くなるのです。

70代以上のケアラーが抱える課題

老老介護と呼ばれる、「ご高齢の人によるご高齢の人の介護」も大きな問題です。
この世代は自分自身も健康上の問題を抱えていたり、筋力の衰えが著しかったりすることが多いといえます。

介護は、お金も知識も体力も必要です。
体力が大きく損なわれている高齢者が介護のメインを担うことで、ケアラー自身に大きな肉体的な負担がかかることは想像に難くありません。
また、共倒れになることも多く、そうなった場合はもっと下の世代がその負担を担うことになります。

世代ごとのケアラーの課題と向き合うために

ケアラーの問題は根深く、また完全に止め切ることはできないものです。
少子高齢化が加速していく日本において、これらの問題を即時解決できる方法はありません。
しかしケアラーの健康や金銭、人生そのものが大きく阻害されてしまうその前に、介護人・医療人が手を差し伸べることは重要といえるでしょう。