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夜勤専従による介護の働き方。メリットはどんなところ?

夜勤専従という働き方について、皆さんはどのようなイメージを持たれているでしょうか?
本記事では、介護福祉士や看護師の夜勤専従について、夜勤専従のメリット・デメリット、夜勤専従に向いている人、について紹介していきます。

夜勤専従とは

夜勤専従とは、「日勤をせず夜勤だけを行う働き方あるいはそのスタッフ」を指す言葉です。
※以降は、介護福祉士の夜勤専従として紹介していきます。

この夜勤専従の働き方・考え方は、365日24時間の稼働が必要となる介護施設においては、非常に重要なものです。
夜勤専従のスタッフは特に雇用しておらず、シフト制で日勤も夜勤もさせるとしている施設もあります。

ただし夜勤だけを行うといっても、いわゆる真夜中(23時~翌日の4時くらいまで)だけを勤務時間とすることはあまりありません。
多くの場合は夕方の16時〜17時くらいに出勤し、翌日の8時くらいに退勤することになります。
上記のスケジュールは2交代のときのものですが、3交代であっても22時くらいから出勤して翌朝の7時くらいに退勤するのが一般的です。

なお、介護施設の場合は引き継ぎを必要とするため、日勤の人とも顔を合わせる機会があります。
施設によっては、夜勤専従の人と夕方勤務の人が1時間程度は一緒に働き、夜勤専従の人と早出の人が1時間程度は一緒に働くところもあります。

夜勤専従のメリット

夜勤専従のスタッフとして働くもっとも大きなメリットは、やはり「給料が高い」という点でしょう。
夜勤専従で働く場合、夜勤手当がつきます。
夜勤手当は労働基準法の第37条にその定めがあるものであり、深夜(22時〜翌日の5時まで)の間に働く者には1.25倍以上の賃金を払わなければならないとしています。
そのため、日勤で働くよりも多くの賃金を得られます。
また、特に2交代の場合は拘束時間も長くなるため、さらに給料が多くなります。

夜勤の場合、レクリエーションといった作業は発生しません。
食事介助に関しては、交代時間のタイミングによっては担当することもあります。
また、施設によっては入浴介助も日勤のスタッフの仕事であるとしていることもあるため、日勤に比べると忙しくないというメリットもあります。

意外にも夜勤専従は、生活サイクルを整えやすいという声もあります。
日勤と夜勤が入り乱れるシフト制に比べて、昼間は常に寝ていられるからでしょう。

出典:厚生労働省愛媛労働局「時間外、休日及び深夜の割増賃金(第37条) 事業場外労働のみなし労働時間制(第38条の2)」

夜勤専従のデメリット

ただし夜勤専従には、デメリットもあります。

デメリットのなかでも一番大きいのは、昼夜逆転の生活を送ることになるという点ではないでしょうか。
昼夜逆転の生活は、家族や友人との予定を合わせにくくなります。

また、基本的に人間は夜眠るものです。
夜に眠らずに働くということで心身の調子が崩れ、体調不良になってしまう人もいます。
特にある程度年齢を重ねた人の場合、昼夜逆転の生活が大きな負担になることも少なくありません。

代わりとなるスタッフが非常に少ないというデメリットもあります。 夜勤専従のスタッフが体調を崩してしまった場合、それの穴埋めをする人員が非常に少ないです。
日勤のスタッフが、夜勤に入らなければならなくなってしまうこともあります。
当然日勤のスタッフの負担が増えますし、日勤のスタッフの負担を増やしてしまったことを心苦しく思う夜勤専従スタッフもいるでしょう。

日中と比べて夜間は、配置されている人員が少なくなる傾向にあります。
介護の業界には、「3:1」の基準があります。
これは、利用者3人に対して介護施設の常勤職員が1人以上いなければならないと定めたものです。
しかしこれは「常勤の職員の総数が利用者3人に対して1人以上いること」を表すものです。
そのため、日中は職員を多く置いているが夜間は少なくする介護施設が圧倒的に多いといえます。
夜間に関しては、1人以上のスタッフがいれば法律上問題はないとされています。
これにより、夜勤専従の場合は「1人でみなければならない利用者の数が多い」「場合によっては、1人だけで夜を守ることになる」というマイナス点もあります。

また、夜勤専従は日勤に比べて拘束時間が長い傾向にあるため、休憩時間は設けられていても日勤よりもつらいと感じる人もいます。

夜勤専従に向いている人とは

では、夜勤専従に向いている人とはどのような人なのでしょうか。

まずは、「収入を上げたい」という気持ちが強い人が向いているといえます。
拘束時間が長くてもしっかり稼ぎたい人には、夜勤専従が向いているでしょう。

2つ目は、「ある程度経験年数が長く臨機応変な対応ができる人」です。
前項でも述べたように、夜勤の場合は非常に少ない人数で施設を回すことになります。
場合によっては、1人ですべての責任と仕事を負わなければなりません。
介護は人と関わる仕事であり、そして人の容態は一定ではありません。
不測の事態や容体の急変に対しても、1人で冷静に対応できる対応力が求められます。

3つ目は、「家族と折り合いをつけられる人」です。
若く独身の一人暮らしをしている状況であれば自分との相談だけとなりますが、家族がいる場合は家族の理解が必要になります。
小さなお子さんがいるのであれば夜間でも安心して預けられる場所を確保しておく必要がありますし、配偶者がいるのであれば2人の時間をどうやって確保していくかを話し合わなければなりません。
介護職の場合、土日祝日が休みではないことも多いという事実も、家族間での調整の難しさに拍車をかけています。
逆にこれらの調整をうまくつけられるのであれば、夜勤専従は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

夜勤専従の働き方とメリット・デメリットを知ろう

夜勤専従の働き方とそのメリット・デメリットを知れば、「どんな人が夜勤専従に向いているか」がイメージできます。
また、夜勤専従に向いている人に該当しなかったとしても、「向いている人に該当しないけれど、どうにかして夜勤専従で働きたい。どこを改善すればいいのか」を考えることができるでしょう。