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ガイドヘルパーとはどのような仕事?資格の種類や取得要件について解説

介護に関わる資格といえば、介護福祉士が最も有名です。
しかし、介護に関係する資格は介護福祉士だけではありません。
今回は介護関係の資格として、ガイドヘルパーを紹介していきます。

ガイドヘルパーとは

ガイドヘルパーとは、「一人では移動するのが難しい人を助ける仕事・あるいはその資格」を指す言葉です。
各都道府県知事の認定を受けることで取得できます。

介護福祉士ほどの知名度はありませんが、非常に長い歴史を持つ資格です。
今から50年ほど前の1973年には、「ガイドヘルパーの確保などを制度化すべし」という決議が出され、その翌年には実際に制度化されました。

その後何度か制度の変遷をたどることになりますが、現在でも長く残る資格であり、多くの人の助けになっています。

ガイドヘルパーの仕事内容

ガイドヘルパーは、移動介護従事者とも呼ばれます。
一人では移動するのが困難な人の移動を助け、その移動に同行します。

ガイドヘルパーの仕事は、言葉にすると「移動を手助けすること」の一言になってしまいますが、その意義は非常に大きいといえます。
なぜなら、人は移動できなければ人と会うことが難しくなり、移動できなければ買い物に行くのが困難になり、移動できなければ病院にかかることもできなくなるからです。
これらの社会的活動をガイドヘルパーが支えることにより、利用者様が日常生活を円滑に行えるようになるだけでなく、社会参加へのモチベーションを保てるようにもなります。

ガイドヘルパーの資格種類と取得要件

ガイドヘルパーの資格の種類は、大きく分けて以下の3つです。

1.全身性障害者ガイドヘルパー(全身性障害者過程研修)

四肢に機能的な障がいのある人をサポートする役目を担うのが、「全身性障害者ガイドヘルパー」です。
講義と演習の両方を受けて取得するもので、3日間程度の研修を受けることになります。 受講条件はありませんが、介護福祉士などの資格を持っている場合は一部の講義が免除されます。
四肢に障がいを持つ人のサポートにあたることを目的とするため、演習には「車いすでの移動」などが組み込まれます。

2.知的・精神障害者ガイドヘルパー(知的・精神障害者行動援護従業者養成研修)

ガイドヘルパーは、機能的な障がいを持つ人のサポートをするだけではありません。
知的・精神的な障がいにより、一人で移動することが難しい人に対する支援を行うケースもあります。

研修には、コミュニケーションスキルなどを学ぶためのカリキュラムが入っているのが特徴です。
3日程度の日程で研修が行われます。

3.視覚障害者ガイドヘルパー(同行援護従業者養成研修)

一般課程と応用課程の両方を学ばなければ取得できない「視覚障害者ガイドヘルパー」の資格は、他の2つよりも研修期間が長く、5日程度となっています。

この資格の場合、単純に「移動するためのサポート」だけを仕事とするわけではなく、代筆や代読といったサポート業務もこなすことになります。
また必要に応じて、排せつや食事といった身の回りの世話も行います。

ガイドヘルパーに向いている人の特徴

ガイドヘルパーに限ったことではありませんが、介護関係を仕事にする場合は「だれかを助けたいという気持ちのある人」であることが大前提です。
ただそれだけではなく、その人の抱える障がいに対してきちんとした知識を持ち、サポートするための技術を有していなければなりません。

単純に「優しいだけ」では勤まる仕事ではなく、冷静さや判断力も求められます。
また、ガイドヘルパーはそれほど肉体的な負担はないとはされていますが、最低限の体力は必要です。

ガイドヘルパーの給与事情

厚生労働省が出している「令和2年賃金構造基本調査」には、「ガイドヘルパーという仕事」は取り上げられていません。
公的なデータがないため、ガイドヘルパーの平均収入を知ろうとすると、実際の求人情報や民間の情報にあたらなければなりません。

ガイドヘルパーは、時間給で働く場合もあれば月収で働く場合もあります。
時給換算の場合は、1時間あたり1200円~2100円程度がひとつの目安となるでしょう。
時給が比較的低めに設定されているところならば1000円程度、高めに設定されている場合は2700円程度となっているところもあります。
なおこれはガイドヘルパーに限った話ではありませんが、都心部の方が給料は高い傾向にあります。
東京の場合、「当社の最低時給は1500円です」としているところも珍しくありません。

月給の形態を取っている場合は、おおよそ20万~25万円くらいに設定されていることが多いと思われます。
職場や働き方によっては30万円を超えることがある一方、20万円をしたまわるケースも少なくありません。

ガイドヘルパーの場合、「年収」を記載して求人を出している企業は非常にまれです。
ただ「正社員雇用」で限定して調べると、その内容から、おおよその年収を把握することは可能です。
平均月収20万円程度に夏冬のボーナスが乗るため、300万円~450万円程度を目安とみることができるでしょう。

上記の数字を高いとみるか低いとみるかは、人によって異なるでしょう。
ただ留意しておいてほしいこととして、「収入の多寡は、働き方にもよる」という点が挙げられます。

そのなかでも、「資格」は非常に重要です。
「そもそも介護関係の資格を持っていなければ、うちでは正社員登用はしない」としているところもありますし、「介護福祉士や社会福祉士の資格を持っているならば優遇し、手当を出す」としているところもあります。
もちろん未体験でも入ることのできる企業もありますが、その場合でも、「働きながら別の資格を取る」という意志を持っていた方が望ましいでしょう。

また、「夜勤が必要になった場合、夜勤はできるのか」「残業はできるのか」「どこまでを職務領域とできるのか」によって、収入も変わってきます。

ガイドヘルパーとして働きたいと考える人はだれもが「困っている人を助けたい」という志を持っていますし、またそのような志を持たなければなりません。
しかし尊い志を持っていても、仕事によって得られる収入が少なすぎれば、その職場で働き続けることは難しくなります。
そのため就職・転職時には、収入面もしっかりチェックする必要があります。

「移動する」という当たり前の権利を守るために

自分の体が自由に動く人にとっては、「移動することの難しさ」をなかなか理解できないかもしれません。
それは移動することは、ごく当たり前のことだからです。
この当たり前が、サポートなしにはできない(あるいは難しい)人もいます。
ガイドヘルパーは、そのような人を助けることのできる素晴らしい仕事だといえます。