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介護士が覚えておきたいトイレ介助の手順とポイント!

「排せつ」は人間の持つ基本的な機能のうちのひとつですが、さまざまな事情でうまくいかなくなるケースやうまくできないケースもあります。
このような場合に手助けを行うのも、介護職の仕事です。
本記事では、「トイレ介助」に焦点を当てて解説していきます。

トイレ介助方法

トイレ介助の手順は、以下の通りです。

1.トイレに移動する

手すり、あるいは介助側の肩などに手をかけてもらい、立ち上がって方向転換を行います。

2.下着などをおろす

下半身の着衣(ズボンや下着など)をおろします。
できるだけ介護者は手をかけず、ご利用者様の手で行ってもらうようにします。

3.便座に座る

便座に座ります。
急いで行うと危険なので、ゆっくりと前屈姿勢をとるようにして座っていきます。

4.排せつ後、コールがあったら介護者がトイレ内に入る

ご利用者様が安定して座位を保てる場合、いったん介護者はトイレの外に出ます。
その後、排せつが終わったという合図があったら、再び中に入ります。

5.トイレットペーパーで処理する

介護の基本は、「できることは本人がおこなう」です。
こうすることで、ご利用者様が自分の力を維持できる時間が長くなります。
トイレットペーパーもできるかぎり自分で取ってもらい、拭き上げなども自分でやってもらうようにします。難しい場合は、介助側が介助します。

6.排せつ物を処理する

排せつ物は健康状態のバロメーターです。
ご利用者様に気づかれないように排せつ物の状態を確認して、排せつ物を流します。

7.逆の手順で戻る

下半身の衣服を身に着け、一度立ち上がり移動します。
ここまでが、トイレ介助の基本です。

夜間のトイレ介助

夜間のトイレ介助を行うスタッフのなかには、「夜に定期的に排せつ介助を行うことで、ご利用者様の睡眠の質が低下するのではないか」と考える人もいるかもしれません。
しかし、福井大学の看護福祉学部で教鞭をとる笠井恭子教授らの論文によれば、これらは睡眠の質に与える影響は小さいとされています。
そのため、ご利用者様の睡眠の質を安定させるためという理由で、排せつ介助の回数を減らすなどの必要はないと考えられています。

もちろん個々のご利用者様の状態を把握しながらアプローチしていくことは必要ですが、このことは念頭に置いておくとよいでしょう。

出典:特別養護老人ホーム入居者の夜間の排せつケアと睡眠状態との関連|笠井恭子,小林宏光,川島和代

そのほかの排せつ方法

ここでは、トイレ以外の排せつ介助を紹介していきます。
どの排せつ方法をとるかは、ご利用者様の状態によって異なります。

ポータブルトイレ

寝室などに置ける持ち運びができる便器です。
持ち運びができるのが特徴で、トイレに行くのが難しい人をサポートしてくれます。
ポータブルトイレを導入した場合でも「ずっとここで排せつをしなければならない」ということはなく、「昼間はトイレですませ、夜間はポータブルトイレを使う」などの使い分けも可能です。

尿瓶などを使う

尿瓶などを使って処理していく方法もあります。
便意はわかるけれどベッドから起き上がることができない人向けの介助用具です。
性別によって使い分けます。

おむつ

寝たきりの状態であっても排せつ物を受け止めることのできるものです。
自分で便意を感じ取ることのできない人に向いています。
紙タイプや布タイプなどがあります。

排せつ介助は相手の気持ちを慮ることが第一

排せつ介助は介護の仕事のうちのひとつですが、ほかの介助とはまた異なる意味を持つものです。
「排せつ」とは本来非常にプライベートな分野の話であるため、子どもや他人はもちろん、長年連れ添ったパートナーであっても介助されたくない……と考える人は多いものです。
そのため介護する側はこのような気持ちを配慮し、介護される側の気持ちを慮ることが求められることをポイントとして覚えておきましょう。