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【介護士ならきっとわかる】介護士の職業病ともいえる腰痛の原因と対策

介護士にとって、「腰痛」は職業病のひとつともいえるものです。
多くの介護士がこの「腰痛」に悩まされています。
では、なぜ介護職は腰痛を患いやすいのでしょうか。
また、どのようにすれば対策・改善ができるのでしょうか。
今回はそれを、厚生労働省の出している「腰痛対策」から見ていきます。

出典:厚生労働省「腰痛対策」

介護職が悩む腰痛の原因とは

介護士が腰痛に悩まされる原因は、大きく分けて下記の3つです。

1.動作要因
2.環境要因
3.個人的要因

1の「動作要因」は、重い物を持ち上げたり、長時間同じ姿勢で作業したりすることをいいます。
ご高齢の方の体を持ち上げ、車いすなどに移すことの多い介護職にとっては思い当たるところの多い原因といえるでしょう。

2は、「職場の寒さ」「腰にかかる振動」などが原因となるものです。
介護施設は基本的には暑さ寒さの対策が取られていることが多いのですが、「バックヤードが散らかっており、安全に移動するのが難しい」などのケースでは、これが原因で腰痛が引き起こされることもあります。

厚生労働省の調査によれば、女性の介護職のうちの70パーセント近くが40代以降です。
また、「60歳以上」が20パーセント近くを占めています。
年を重ねると、体の不調が出やすくなります。
加えて女性は男性に比べて筋肉量が少ないため、筋肉量不足+加齢による体調不良で腰を痛めやすくなっています。

なお、ここでは3つの原因を取り上げましたが、ストレスや長時間勤務もまた腰痛の原因となっています。

出典: 厚生労働省「介護労働の現状」

介護現場における腰痛予防対策

腰痛は、一度出てしまうと長く続くこともあるものです。
そのため事前の予防が重要です。

まず作業姿勢を見直しましょう。
同じ姿勢で作業を行っていたり、中腰で作業をしたり、急に姿勢を変えたりすることは腰痛の危険リスクとなります。
適度に休憩をはさみましょう。

また、道具や設備を見直すことも重要です。
介護者に合わせた手順ややり方で介護することはもちろん、照明や床材の見直しを行うことも求められます。
特に滑りやすい浴室や、一日の多くを過ごすことになる居室などの見直しは重要です。

なお管理者・責任者・上司には、腰痛が出た場合は配置転換を行うなどし、職員がそれ以上腰を痛めないようにするための判断も求められます。

腰痛を改善するために

一度腰を痛めてしまったのなら、それを改善するための方法をとる必要があります。
まず施設側は必要に応じて福祉機器(シート型の吊り具など)を導入するようにします。
痛めた本人は、まずは病院に行き症状を把握してください。
そのうえで、どのような対策をとればいいのかの指導を受けるようにします。

一般に、腰痛は「腰痛運動(ストレッチなどで腰や股関節を伸ばす)」などで軽減するとされています。
また腰痛用のコルセットなどで腰~背中部分を固定することも有効であると考えられています。
腰痛がひどい場合は投薬治療も行われますが、「薬を飲んで痛みが引いたからもう大丈夫」と考えるのは危険です。
完全に治るまでは養生し、決して無理が出ないように努めます。

職業病である「腰痛」とさよならするために

「腰痛」は、介護士にとってはなじみの深い職業病でもあります。
しかしいったん腰を痛めてしまうとその痛みは長く続く可能性があります。
そのため、まずは「腰痛が出ないようにするための予防策」を講じましょう。
正しい姿勢で介護を行い、同じ姿勢を長時間とらないように気を付けます。
また管理者は必要に応じて福祉器具を導入したり、配置換えを行うなどして対策を講じることで従業員の負担を分散化できます。