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専門看護師は何種類に分類できる?従事するための条件や認定看護師との違い

看護師の種類の一つとして、専門看護師があります。
本記事では、専門看護師とは、専門看護師と認定看護師の違い、専門看護師の種類、専門看護師になるために必要なことについて解説していきます。

専門看護師とは

専門看護師とは、看護師のなかでもレベルの高い看護を提供できるだけの知識および技術があると認められた人のことをいいます。
以下のような6つの役割を果たすことが求められ、1994年に始まった制度です。

  • 看護ケアの実践
  • 看護ケアを行う患者の相談
  • 看護ケア提供のためにスタッフ間の調整を行う
  • 倫理面からアプローチして個人・集団・ご家族の権利を守る
  • ほかの看護者に対して看護ケアの教習を行う
  • 専門分野をより追求するための研究活動をする

 

認定看護師との違い

専門看護師と似たものとして、認定看護師があります。
専門看護師は患者とその家族を対象とするのに対し、認定看護師は患者のみを対象とするという違いがあります。
また、専門分野や求められる役割も違います。
一般的には、専門看護師になる方が難しいといわれております。

専門看護師は14種類

専門看護師の種類は、「対象とする人・こと」によって異なります。
ここでは、14種類それぞれの特徴を紹介していきます。

がん看護

日本人の死亡原因1位である「がん」に特化した看護ケアを提供することを目的としているものです。
身体的な苦痛だけでなく精神的な苦痛をも理解するとともに、QOLを考えた看護を行います。

精神看護

精神の病気を患う人に対して、レベルの高い看護ケアを提供することを目的とします。
なお、精神の病気と看護において欠かせない「リエゾン精神看護(患者やご家族に対して専門的なケアを行う/スタッフ間での橋渡しを行う/一般診療科の看護師などの相談を受ける/スタッフに対して教育を行う)」を一般病院で提供する役割も担います。

地域看護

病院という枠組みにとらわれることなく、学校保健や保健行政、あるいは在宅ケアもしくは産業保健のように「地域」に関するレベルの高い看護を提供することを目的とします。
またこれにより、地域の医療や福祉自体の水準を向上させる役割も担います。

老人看護

ご高齢の方が入所する施設で、入所した方のQOLを上昇させる看護を目的とします。
ご高齢の方に特に多く見られる嚥下の問題や認知症の問題に対して、効果的にアプローチしていけるだけの技術が求められます。

小児看護

小児看護は子どもを対象としたものです。
高い看護ケアを提供することはもちろん、小児患者が子どもとして健全に成長・発達していけるようにするための支援も行います。

母性看護

周産期(妊娠22週~産後1週間)にあたるお母さんやお子さん、そしてそのご家族に対する支援を行うことを目的とします(※女性のライフサイクル自体も対象とします)。
体調を崩しやすく不安定な状況にある方を守るための看護ケアを実践するのが、この母性看護の専門看護師の役割です。

慢性疾患看護

病気は「一度罹って治したら終わり」というものばかりではありません。
生活習慣病に代表される慢性疾患もあります。
慢性疾患看護の専門看護師は、そもそも生活習慣病などにならないようにするための予防と、罹ってしまった後の管理・サポート・健康に対して働きかける役割を担います。

急性・重症患者看護

重症度が非常に高い患者や緊急度が高い患者に対して、集中的な看護ケアを行うことを目的とします。
また、このような状況に置かれている患者やそのご家族は非常に不安定な精神状態にあるため、彼らのサポートもまた急性・重症患者看護の専門看護師の役目です。
ほかの専門看護師に求められるような「スタッフ間の連携・調整」を行う役割が特に強く求められる分野であり、危険な状態にある患者に対して最善の医療が提供されるように尽力します。

感染症看護

感染症の予防を行ったり、感染症が発生したりしたときに、それに対して適切な対応をすることを行うことを目的とします。
新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって、さらにその重要性が増した分野だといえるでしょう。

家族支援

医療ケア・看護ケアと聞いたとき、多くの人は患者をターゲットとして思い浮かべます。
間違いではありませんが、患者のご家族にも多くの負担がかかります。
家族支援の専門看護師は、患者の回復を促すためにご家族を支援し、ご家族が主体となって問題にあたれるような状況作りをしていくことを業務とします。

在宅看護

療養の場として「家」を選んだ人やそのご家族が、在宅療養を続けられるようにするためのサポートを業務とします。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響もあり、在宅看護・在宅介護の分野は速いスピードで進化していますが、これらの進化し続ける技術やシステムに対応し、それを理解・構築する役目を果たすこともまた、在宅看護の専門看護師には求められています。

遺伝看護

人は遺伝的な要因によって、特定の病気に罹りやすくなることがあります。
遺伝看護の専門看護師は、それぞれが持つ遺伝的な課題を見極めたうえで、その診断や予防・治療、それに関わる患者の意思決定およびそのQOLの向上の支援を行います。
遺伝的要因による身心のトラブルは生涯にわたって続くことがあるうえ、時に世代を超えることもあるため、それを見据えた医療・看護ケアのシステムの構築を行うことも、この分野の専門看護師に求められます。
また、遺伝子関係の研究を行うことも任務とされます。

災害看護

突発的に起こる災害に対して、適切な看護ケアを提供することを目的とします。
災害時は人も物資も足りないといった状況に陥りやすく、あらゆる人の精神状態も不安定になるため、それらを前提とした連携が求められます。

放射線看護

新しい分野の専門看護師です。
放射線が人や社会にもたらす影響をよく学んだうえで、長期的な看護ケアを提供していくことを目的とします。
職業ひばくや施設の安全に関する体制の見直しや構築も業務としています。

専門看護師になる方法

専門看護師

専門看護師になるには、以下の工程をたどる必要があります。

  1. 看護師資格を取得する
  2. 看護系大学院修士課程修了者でありかつ専門看護師教育課程基準の単位(26単位あるいは38単位)を取得する
  3. 5年以上(内専門看護分野が3年以上)の実務研修期間を積む
  4. 1と2を満たしたうえで認定審査を受ける

※2と3は順不同

専門看護師の認定に通った後は、5年ごとに更新をする必要があります。

専門看護師は各分野のスペシャリスト

専門看護師とは、専門分野における知識・技術・調整力のすべてを併せ持つ看護師のことです。
看護の対象は患者だけでなくご家族、さらには地域や施設までをも含みます。
専門看護師への道のりは決して優しいものではなく、専門看護師として認められた後も更新が必要になりますが、活躍の幅も広がるため、是非目指してみてはいかがでしょうか。