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介護施設や介護スタッフへのクレーム事例。適切な対応をとるには!?

介護施設を運営していたり、介護スタッフとして働いたりしていると、クレームを受けることもあります。
本記事では、介護施設に寄せられるクレームの事例、クレームへの対応について解説していきます。

介護施設に寄せられるクレーム事例

介護施設に寄せられるクレームには、いくつもの種類があります。
ただ、大別すると以下のようなものになるでしょう。

1.介護スタッフの対応に対するクレーム
2.金銭に関するクレーム
3.けがや私物の紛失などへのクレーム
4.理不尽なクレーム

ここではまず、1~3について解説していきます。

介護スタッフの対応に対するクレームでよくみられるのは、「介護スタッフの対応が雑であったり、言葉かけが乱暴であったり、尊厳を傷つけるような言い回しがとられたりした」などのようなケースです。
介護職に従事する人は必ず「要介護者を、子ども扱いしてはならない」と教えられているにもかかわらず赤ちゃん言葉を使って接する……などのようなケースがこれに当たります。

金銭問題に関するクレームは、施設側・利用者様側のどちらに問題があるか判別しにくいケースもよくあります。
「本来は説明すべきところを施設側がきちんと説明できておらず、トラブルになった」「利用者様側の期待値が高すぎたため、『こんな料理なのにこの昼食代は高い』とクレームを入れられた」などのようなケースがよくみられます。

「介護施設に預けているが、あまりにも何度もけがしている。きちんと見てくれていないのではないか」「明らかに不自然な傷がある」「介護施設を利用していたが、私物が紛失していた」などのクレームが寄せられることもあります。
ほとんどすべての介護職員は細心の注意を払って職務に当たっていますが、ニュースになる事例のように故意に利用者様を傷つけたり、私物の管理がおろそかになっていたりするケースもみられます。

一般的なクレームへの対応方法

介護施設側に非がある(あるいは非の割合が多い)クレームを受けた場合は、介護施設側で再発を防ぐための手立てを講じなければなりません。

1.まずは話を聞く

まずは真摯に話を聞くところから、クレームの対応は始まります。
相手の言葉に口を挟まず、まずは丁寧に聞いてください。
またこのときには、事実確認~解決策・代替案を提示する旨を相手に伝えます。
「●日までに返答する」などのように伝えると、相手も飲み込みやすいかもしれません。

2.事実確認を行う

話を元に事実確認を行います。
利用者様側の意見を丁寧に聞くことは非常に重要ですが、まだ事実が確定していない場合は職員を強い口調で責めることはせず、しっかり聞き取りを行うことが重要です。

3.問題の解決に向けて解決策や代替案を出す

事実確認を行ったのち、具体的な対策を講じます。
そしてその具体的な対策を携えて、利用者様側と再度話し合いの席を設けます。
必要に応じて代替案を出すようにして、事態の解決に努めます。

4.事例の共有

起きたクレームを、組織の中で共有することも非常に重要です。
このようにすることによって問題の再発を防ぐことができます。

1から4までの工程は、できるだけ速やかに行います。
また連絡を密にしたり、利用者様側に寄り添った姿勢をとり続けたりすることが非常に重要です。

理不尽なクレームへの対応方法について

ここまで「一般的なクレーム」「(基本的には)介護施設側に問題があるクレーム」について取り上げてきましたが、介護施設に寄せられるクレームの中には極めて理不尽なものもあります。
たとえば、「そのような事実がまったくないにも関わらず、職員にお金を盗まれたと強弁する」「介護の範疇を超えた対応を要求する(要介護者以外の家族の食事作りや掃除などを求められる、医療従事者でなければできない対応を介護職員に求めてくるなど)」「職員にセクハラ行為をし、拒絶されたら対応が悪いと述べ立てる」といったケースです。

以下では、理不尽なクレームに対する対策についてご紹介します。

1.話を聞き事実確認を行う

クレームの最初の一報の段階では、それが理不尽なクレームか一般的なクレームかどうか判断がつきません。
そのためまずは話を聞き、事実確認を行います。

2.非のある部分がどこであるか境界線を明確にする

「ここまでは介護施設側の非であったが、これ以降は利用者側の過剰要求である」などのように、「介護施設側の非と、そうではない部分」を明確に分けます。

3.録音を行う

利用者側の要求が明らかに過剰であったり、理不尽であったりするとわかった時点で、録音を行います。
録音は無断で行っても問題ありません。

4.対応は複数人で

理不尽なクレームへの対応は、1人に任せてはいけません。
必ず複数人で対応し、できる限り冷静に着地地点・解決策を求めるようにしてください。

5.行政機関や弁護士に依頼をする

「自分たちでの対応に限界を感じた」「脅迫をされている」という場合は、行政機関や弁護士に依頼をしてください。

理不尽なクレームに応えてしまうと、今後も同じようなクレームが寄せられかねません。
必ず毅然とした対応をしてください。

介護現場におけるクレーム対応

人と人が関わることになる介護の現場においては、クレームが寄せられることはよくあります。
クレームを受けたそのときは非常に緊張して混乱するものですが、適切な対応をすることで事態は改善するはずです。
クレームには冷静に対応していきましょう。