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介護報酬の改定内容の1つ「感染症や災害への対応力強化」

以前から介護業界では、「感染症や災害への対策」は行われていました。
ただ新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延によって、その対策をより強化することを求められるようになったのも事実です。
本記事では、厚生労働省の出した「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」のなかから、特に「1.感染症や災害への対応力強化」を取り上げ、その内容を紹介していきます。

出典:令和3年度介護報酬改定の主な事項について

まずは知っておきたい「感染症対策の強化」について

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行は、介護業界にも大きな衝撃をもたらしました。
介護サービスの種類は数多くありますが、ご高齢の方を対象としたサービスが多いと思われます。
ご高齢の方が新型コロナウイルス(COVID-19)に罹った場合、症状が悪化する可能性が高いということもあり、綿密な感染症対策が必須です。

同資料では、

1.感染症の発生や蔓延を防ぐための対処として、指針を整理したり訓練をしたりすること
2.もし感染症が発生した場合でも、必要なサービスの提供ができるようにシミュレーションをし、体制を作っておくこと
が求められています。

なおこのような取り組みに関しては、3年間の経過措置期間が設けられています。
そのため、「今すぐに行えないと、罰則が来る」などの心配はいりません。

災害が起こったときの備えについて

「日本は地震大国である」という言葉は、だれもが一度は耳にしたことがあるでしょう。
このような災害への対策を講じることも重要です。

シミュレーションや訓練を行うことはもちろんですが、災害においては特に「地域との連携」が重視されます。
たとえば、訓練を行う場合であっても地域の住人の参加を求め連携がとれるように、としています。

また災害時の備えにおいても、感染症が発生したときと同じく、「必要なサービスがきちんと提供されるような計画の組み立て」が求められます。

国からの支援もある

上記だけを見ていると、「介護施設側にだけ負担が大きく、国は何もしてくれない」と感じるかもしれません。
しかし実際には、国もさまざまな対策を講じています。
その最たる例が、「基本報酬の上乗せ」でしょう。

新型コロナウイルス(COVID-19)に代表される感染症や、地震に代表される災害が起きた場合、施設を利用する方の数は減少すると考えるのが自然です。
それによって介護施設が得られる報酬が少なくなり、その結果として安定的なサービスを提供することが難しくなることは想像に難くありません。
このような状況を避けるために、国では、「前年度の平均延べ利用者数が、今年度のそれと比べて5パーセント以上減っている場合、3か月の間基本報酬に3パーセント上乗せする」としています。

なおこれが新型コロナウイルス(COVID-19)によるものの場合は、年度の初めから即時この制度が適用されます。
また、新型コロナウイルス(COVID-19)が発生したときの業務継続のためのガイドラインも制定されています。

感染症や自然災害は、決して他人事ではありません。
国側と施設側が一体となって、この2つの大きな被害に立ち向かっていくことが求められます。

感染症や災害への対応強化のためにできること

感染症や災害は、私たちの財物だけでなく命をも奪う可能性の高いものです。
介護施設ではご高齢の方が多く住んでいるため、危険性もより高くなります。
このようななかで施設側は「感染症の蔓延の予防」「地域と連携した災害時の対応」などが強く求められます。
またそのような状況にあっても、利用する方々に安定したサービスを供給しなければなりません。

国もガイドラインを制定したり、基本報酬を上乗せしたりするなどの対応をとっています。
国側・施設側が一体となって、この未曾有の危機を乗り切っていく必要があるでしょう。