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介護職は覚えておきたいケアラーについて。ヤングケアラーと併せて解説

支援や介護を必要とする方にとって、自身を支えてくれる家族や近親者は非常に大切な存在です。
本記事では、介護を必要とする方をサポートする側の方を指す「ケアラー」について、現状や支援対策として行われていることなどを紹介していきます。
介護職に携わる方であれば、知っておきたいトピックのため、ご一読ください。

ケアラーとヤングケアラー問題

ケアラーとは、「なんらかの介護・療育・看護などを必要とする方をサポートする人」を指す言葉です。
高齢者の介護に限らず、アルコール依存症の家族を支える人や、障がいを抱える児童を無償で支える人のことも「ケアラー」といいます。

考えなければならないことは、このようなケアを無償で行っているという点です。
介護職のように有償で介護にあたっているのとは違い、ケアラーと呼ばれる人と介護をされる人との間に金銭の授受は発生しません。

また、このようなケアラーの中でも、特に18歳未満の介護者を「ヤングケアラー」といいます。
本来は、勉強や友人との交流、部活動などに打ち込める時間を、家族などの介護に費やしている状態です。
ヤングケアラーの問題は、自分のための時間が確保できないだけでなく、それによる精神面の疲弊が人格などに影響してしまう可能性があることも含まれます。
「介護があるため、合格した学校進めなかった。もしくは続けられない」といった例もあるようです。

実際に、埼玉県の公立高校145校を対象としたアンケートにおいて、「家族のケアを理由として、希望の進路に進めなかった」と答えた生徒が44人いたという統計結果も出ています。

出典:NHK首都圏ナビ「県内145校にアンケート“進路諦めた”は44人」

ダブルケアのリスク

ケアラーの問題は、これだけではありません。
介護というのは非常に大変なもので、ひとりの人間がひとりの要介護者の介護を行うだけでも精神的に追い詰められる可能性があります。
しかしこれに加えて、「自分は一人っ子で早くから認知症を患った母親の面倒をみてきたが、自分にも子どもが生まれて介護と育児の両方をしなければならなくなった」「両親ともが要介護状態となってしまい、2人の介護をひとりでみなければならなくなる」ということもあります。

このような状態を「ダブルケア」といいます。
ダブルケアは、ひとりでひとりの介護を行う以上に時間的な負担が大きく、場合によっては仕事や学校を辞める必要が出てくることすらあります。
このような状況は、さらにケアラーを追い詰め、経済的・時間的・精神的負担をもたらすものになる可能性が高くなります。

ケアラー支援対策

現在このようなケアラーの問題は、日本でも注視されています。

日本では2010年には一般社団法人日本ケアラー連盟も発足しました。
「専門家の手を借りて介護を進めていくこと」が一般化しつつあります。
2020年の4月には埼玉県で「ケアラー支援条例」も施行され、ケアラーを雇っている企業が雇用についての配慮することを義務づけるなどの対策も取られています。

介護職に就いている人間が要介護者について思いを馳せることはもちろん大前提となりますが、「ご家族」「介護を行うケアラー」についてもよく考えなければいけないでしょう。
無償で介護を行う方が孤立したり追い詰められたりすることのないように、知識や技術を提供し、メンタル面での支えとなることが求められます。

介護職としてのケアラー問題との向き合い方

介護は、介護を受ける方だけではなく、介護をする方に対しても大きな負担をもたらすものです。
それが無償で行われているものであればなおさらです。
介護職は、有償でプロとして介護を行う立場にいます。
その立場にいるからこそ、「無償で介護にあたるケアラー」の抱える問題を考え、その負担を軽減していかなければなりません。