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老老介護とは!?現状や認認介護との違いを解説

老老介護問題は、日本の少子高齢化を実際に体感する1つといえます。
本来は介護をされる側の方が、介護をしている例は少なくありません。
本記事では、介護職を携わる方は知っておきたい「老老介護」について解説していきます。

老老介護とは

老老介護とは、「65歳以上の人の介護を、65歳以上の人が担当している状態」をいいます。
たとえば、「70歳の夫を、67歳の妻が介護している」「85歳の母親を、65歳の息子が介護している」などのような状況です。

これに対し、「認認介護」と呼ばれるものがあります。
認認介護とは、「認知症を患っている高齢者を、認知症を患っている別の高齢者が担当している状態」をいいます。
「80歳の夫側も認知症を患っているが、さらに認知症の程度が重い75歳の妻の介護を夫が担当している」などのような状態です。

老老介護と認認介護ですが、どちらも大きな問題があります。
老老介護の場合は、介護する側も足腰の衰えが見られる可能性も高く、介護中にけがをしやすい状況にあります。
認認介護の場合はさらに問題が大きく、双方の認知症が進むことで状態が悪化していく可能性が高いといえます。
また介護だけでなく、身の回りの一般的な家事において問題が起きることも非常に多く、精神的な負担も増えるなどの問題もあります。

老老介護の現状

厚生労働省が出した「国民生活基礎調査」によると、年々1つの世帯を構成する人員の数は減っているということです。
また、1986年には44.5%を閉めていた「三世代世帯」も、2019年の段階では9.4%と激減しています。
「夫婦だけの世帯」「単独世帯」も割合が増えており、この2つを合わせた割合は、1986年と2019年では30%近くも差が開いています。
また、高齢者夫婦だけの世帯の数も増えています。

もっともこのような数字は、「現在の高齢者は昔の高齢者に比べて元気だから」といった見方もできるかもしれません。
しかし「要介護者と、介護を主に担当する人間がともに65歳以上である」という組み合わせも年々増えており、2016年の段階で50%を超えています。

今後も少子高齢化が進むとなれば、この傾向はさらに強くなるでしょう。

出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成28年実施)
出典:厚生労働省「国民生活基礎調査」(令和元年実施)

老老介護の対策

老老介護は社会全体の問題であると同時に、即時解決が難しい問題でもあります。

まずは、親戚や兄弟、子供などの身内の間で工夫できることを考える必要があります。
仮に身内による直接の手助けは難しくても、「外部に頼るのは、介護を受ける側にとっても負担が少ない」「プロに頼んだ方が、介護される側にとってもメリットが大きい」などのように相談をすることで、自分たちだけで抱え込まないように工夫していく案が出てくるかもしれません。

また、「外部に助けを求める」ということも大切です。
さまざまな意見はあるものの、日本は高齢者あるいは認知症を患った人に対する公的福祉サービスがある程度整った国だといえます。
そのため、外部の介護サービスを調べて頼ることが出来れば、介護の負担は大きく軽減されます。
周囲の人が「このような介護サービスがある」などの情報を提供することが重要です。

さらに、状態を悪くしないために早めに病院に行ったり、意識的に体を動かすようにしたりすることも大切です。
認知症を治すことはできませんが、進行を遅らせることは可能です。
身体の衰えを防ぐためにも、このような対策が有効といえます。

老老介護の持つ問題と解決策を知る

少子高齢化が進み核家族化が進む現代では、だれもが老老介護と無縁とはいえません。
老老介護問題は、日本全体の問題です。
しかし、まず目の前で困っている人を助けるためには、

・身内の助け
・外部の介護サービス
・悪化させないための対策

を考えることが重要ではないでしょうか。