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新型コロナ感染症に対する介護施設の取り組みと対策:感染者が発生した場合

新型コロナ感染症(COVID-19)に対する対抗策が練られ、さまざまな取り組みがなされています。
感染症は、かからずにいられることが理想です。
ただ、かかるリスクを減らすことはできても、ゼロにすることはできません。
そのため予防策を講じると同時に、「もしかかってしまった場合はどうするか」についても知っておかなければなりません。
国が発行する「介護老人保健施設等における感染拡大防止のための留意点について」から、「かかった後にできること」について解説していきます。

情報共有・保健所等への報告

職員もしくは利用者様が新型コロナ感染症(COVID-19)に感染した場合、速やかに管理者に報告をします。
また、さらなる感染を防ぐために、利用者様のご家族にも情報を共有します。
保健所などへの報告も迅速に行いましょう。

また国では、「帰国者・接触者相談センター」を開設しています。
感染が疑われる場合は、ここに電話をしてください。
電話をした後の流れは、以下の通りです。

1.感染の疑いのある人が、電話をする
2.必要に応じて、帰国者・接触者相談センターから、専門の医療機関を紹介される
3.県衛生研究所によって、新型コロナ感染症(COVID-19)の検査を行われる
4.陽性と判断された場合は、状況に応じて入院勧告を行われる

感染者が不用意に市井の病院に受診してしまうと、そこでまたほかの人に感染する可能性があります。
このため、一度帰国者・接触者相談センターを挟むのです。
帰国者・接触者相談センターは365日24時間対応で開いていますから、不安を感じたのならば必ず連絡をするようにしてください。

消毒・清掃などの実施、調査への協力

介護施設利用者が新型コロナ感染症(COVID-19)に罹っていると分かった場合、まずは居室及び共用スペースを消毒・清掃を行います。
消毒用のエタノールや、適切な濃度に調整した次亜塩素酸ナトリウムを使っていくようにします。
ただ、清掃の前には必ず国立感染症研究所・国立国際医療研究センター国際感染症センターの出す「4 環境整備」を確認してください。
また保健所の指示がある場合は、それに従います。

濃厚接触者への対応

「新型コロナ感染症(COVID-19)に感染した人と濃厚接触(感染者と、1メートル以内の距離で15分以上の接触を、発病2日前より行った)した人は、保健所と連携して対応に努めることとなります。
基本的には2週間にわたって健康状態を確かめていきます。
この間は自宅待機し、外出をしないようにします。<>

介護職は慢性的な人手不足にあります。
また、長く休んでいると金銭的な面で不安を抱く人もいることでしょう。
しかし、介護者が新型コロナ感染症(COVID-19)に感染した場合、「体調がよくなったのならば復職してほしい」、「体調が良くなったから復職したい」と考えるのは非常に危険です。
復職の時期は保健所の指示によって決められるため、自己判断をしてはいけません。

介護施設において利用者様に新型コロナ感染症(COVID-19)がみつかった場合、原則として入院することになります。
介護施設の利用者様は高齢の人が多く、また高齢の人は新型コロナ感染症(COVID-19)に罹った場合の死亡率がほかの年代に比べて高いからです。

ただ、病床が確保できないなどの状況の場合は、引き続き介護施設で継続してケアに当たることもあります。
この場合は、

・生活するスペースを区分けして、ほかの人と濃厚接触させないようにする
・保健所の指示の下、慎重に体調変化に気を配る
・情報の共有を行うこと
を徹底する必要があります。

介護施設はマニュアル以上の対策を行っているところが多い

このように、介護施設においては特に厳しく新型コロナ感染症(COVID-19)への対応が求められています。
しかし介護施設の多くは、国が出しているマニュアルを順守するだけでなく、二重三重の感染防止策を実施しています。
また、日本においては感染者の増加数も(多少の波はあるものの)減少傾向にあります。 現在では2か月近くも感染者を出していないという都道府県もあります。

「転職を考えているタイミングだったが、新型コロナ感染症(COVID-19)の話もあり、介護施設への転職を控えてほかの業種に行こうかなと迷っている」
「転職を考えていたが怖くなってきた」
と悩む人も上記の「事実」を踏まえて、転職について前向きに考えてみることをおすすめします。

「感染者を出さないための予防策」と一緒に考えたい「感染者が出た場合の対策」

新型コロナ感染症(COVID-19)は、私たちの生活を大きく変えました。
特に濃厚接触が避けられず、また高齢の利用者様が多い介護施設においては、これは深刻な問題です。
ただ、「感染者が出たときには報告をし、消毒を行い、検査や経過観察を行う」、「感染者を出さないように予防する」を徹底することにより、効率よく対応にあたることができます。

現在、日本では感染者増加数も減少傾向にあります。
介護職に就くこと・介護職として新しい職場を求めることを必要以上に怖がることはせず、冷静に情報収集と対策に努めましょう。

出典:厚生労働省「介護老人保健施設等における感染拡大防止のための留意点について」