「科学的介護」と大規模データベース「LIFE」。介護サービス向上に向けた施策 | リアルジョブ介護

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「科学的介護」と大規模データベース「LIFE」。介護サービス向上に向けた施策

世界のあり方は日々移り変わり、より便利に、より効率的にと進歩し続けています。
50年前や100年前ならば想像すらできなかった技術によって、現在の私たちの生活は支えられています。
そしてそれは、介護の世界であっても例外ではありません。
本記事では、「科学的介護」と「LIFE」について紹介していきます。

科学的介護とは

科学的介護とは、簡単にいうと「医学的なエビデンスを中心とした医療を提供し、科学的に医療・介護を行っていこう」という考え方です。
エビデンスに基づいたこのような考え方自体はそれほど目新しいものではなく、1990年代にはすでに存在していました。


また介護保険制度は、「ただ生き永らえさせる」「ただ面倒をみる」という介護ではなく、「QOLに配慮した介護」を目指すべきであるとしました。
そしてこのような「QOLに配慮した介護」を行うためには、エビデンスやデータに支えられた研究が必要です。


そんなときに力になるのが、次項で紹介する「LIFE」です。


出典:厚生労働省「科学的介護とは」

介護における大規模データベース「LIFE」

QOLに配慮した介護を行うためには、それを実践できるための知識やデータが必要です。
そのために考えられたのが「LIFE」です。


LIFEとは、介護における大規模なデータベースのことを指します。
多くの人の介護サービスの内容がここに蓄積され、より効果のある介護プランをデータに基づいて提案することが可能となっています。


2021年の4月から本格的な稼働が始まったもので、現在は厚生労働省がインセンティブを設けて普及に努めています。
多くのデータが集まれば、それだけ科学的根拠に基づいたより効率的な介護サービスが提供できるからです。

「CHASE」と「VISIT」

LIFEの存在は今後の介護業界を変えていくと思われますが、このような考え方自体は昔からありました。
既存のデータベースとして挙げられる「CHASE」と「VISIT」がそれです。
LIFEも0ベースから作り上げられたわけではなく、このCHASEとVISITの2つを一体化させるというかたちで作り上げられました。


そのため、LIFEについて正しい知識を得ようとすれば、まずはCHASEとVISITとは何かについて知る必要が出てきます。


CHASE

「計画―実行―評価―改善―計画……」のサイクルで成り立っているのが介護ですが、その過程において、CHASEに対して自動的にデータを提出します。
そして蓄積されたCHASEのデータに基づいてフィードバックを行い、より良い改善を行っていくというのが、CHASEの目指すものです。
CHASEには、それぞれの利用者様の現状やケアサービスの内容が記録されていて、 それに基づいたケアプランを考えやすくするという性質を持っています。


VISIT

対してVISITとは、文字通り、「通所・訪問」に関するデータを集めるためのシステムでした。
CHASE同様に「計画―実行―評価―改善―計画……」の流れに基づき、エビデンスの提供とフィードバックを行うことを目的としています。
ただVISITの場合、個々に対してのフィードバックだけではなく、施策自体の見直しなども視野に入っています。


CHASEとVISITは、両方とも非常に重要で有意義なものでした。
この2つを一本化させて、さらに効率よく有用にしたいという考え方のもと、LIFEの導入が進められたのです。


出典:厚生労働省「LIFE(VISIT・CHASE)による科学的介護の推進(イメージ)」

データの収集がより良きフィードバックに繋がる

介護される人が100人いれば、100通りの「最適な介護方法」があります。
常に「最適な介護方法」だけをピンポイントで選び出すことは非常に難しいですが、適切なフィードバックがあれば、最適な介護ができる可能性は高くなるでしょう。


CHASEとVISITによって成り立つ大規模データベースLIFEは、多くのデータの収集・分析を行い、科学的で適切なフィードバックをすることを目指します。
確かなデータに基づいた科学的介護の実行するために、このLIFEの活用が求められます。